基本 例題 60 対偶を利用した証明 (2)
対偶を考えることにより,次の命題を証明せよ。激
①①①①①
整数 α, bについて, 積αb が3の倍数ならば α または6は3の倍数である。
[東京国際大]基本59
指針
条件の否定 「かつ」 と 「または」 が入れ替わるに沿って,対偶を考える。
⇒ (g またはr)」の対偶は, 「(g) ⇒
[補足] ab が3の倍数α または6が3の倍数を直接証明するのは, 「abが3の倍
「数」が扱いにくいので難しい。 そこで, 対偶を利用した (間接) 証明を考えてい
る。
与えられた命題の対偶は
解答
「a, b がともに3の倍数でないならば, abは3の倍数でない」
である。
a,bがともに3の倍数でないとき, 3で割ったときの余りはそ
れぞれ1または2であるから,k,lを整数とすると
a=3k+1 または α=3k+2
b=3+1 または 6=31+2 と表せる。
[1] a=3k+1,b=3l+1のとき
ab=(3k+1)(31+1)=3(3kl+k+1)+1
3kl+k+1は整数であるから, abは3の倍数でない。
[2] a=3k+1,6=3l+2のとき
ab=(3k+1)(3+2)=3(3kl+2k+1) +2
3kl+2k+1は整数であるから, abは3の倍数でない。
[3] a=3k+2,b=3l+1のとき
ab=(3k+2)(3l+1)=3(3kl+k+2l) +2 ことに
3kl+k+2lは整数であるから, abは3の倍数でない。
[4] a=3k+2,6=3l+2のとき
ab=(3k+2)(3l+2)=3(3kl+2k+21+1)
+1
3kl+2k+2l+1 は整数であるから, abは3の倍数でない。
■ 「αまたは6は3の
倍数である」 の否定
「αは3の倍数
でないかつは3の
倍数でない」 である。
<a=3k±1,6=3l±1
とおいて進めること
もできる。
【3×(整数)+1の形
の数は3で割った
余りが1の数で,3
の倍数ではない。
[1]~[4] により, 対偶は真である。
したがって,もとの命題も真である。
GER