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源氏物語
光る君誕生
おほんとき
さぶら
いづれの御時にか、女御・更衣あまた候ひ給ひける中に、ひとやむごとな
ききはにはあらぬが、すぐれて時めき給ふありけり。初めより我はと思ひあ
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がり給へる御方々、めざましきものに、おとしめ、そねみ給ふ。同じほど、
→げらふ
それより下﨟の更衣たちは、ましてやすからず。朝夕の宮へにつけても、
人の心をのみ動かし、恨みを負ふ積もりにやありけむ、いとあつしくなりゆ
き、もの心細げに里がちなるを、いよいよ飽かずあはれなるものに思ほして、
人のそしりをもえはばからせ給はず、世のためしにもなりぬべき御もてなし
6かんだちめ うへびと
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なり。上達部・上人なども、あいなく目をそばめつつ、いとまばゆき人の御
おぼえなり。唐土にも、かかることの起こりにこそ、世も乱れあしかりけれ
あめ
と、やうやう天の下にも、あぢきなう、人のもて悩みぐさになりて、楊貴妃
のためしも引き出でつべくなりゆくに、
いとはしたなきこと多かれど、
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LO
むらさきしきぶ
参考
紫式部
・故