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*[4 選択的透過性 第8講
ヌマムラサキツユクサを使った実験に関する次の文を読み, あとの問いに答えよ。
【実験】 開花した花の雄ずい(おしべ)の毛を用いて次の実験を行った。
エタノール水溶液の3種類の水溶液を準備した。 スライドガラス A. B.Cの上に, 離
ほぼ同じ浸透圧となるように調整したスクロース水溶液, エチレングリコール水溶液,
Cにはエタノール水溶液をそれぞれ2~3滴ずつ加え, カバーガラスをかけて3枚のプ
ずい (おしべ) の毛を置き, Aにはスクロース水溶液, Bにはエチレングリコール水溶液,
レパラートを作製した。
各プレパラートを顕微鏡を用いて継続
して観察し, 実験開始後のそれぞれの細
胞の体積変化を調べ、その結果をグラフ
にすると、 右の図のようになった。 実験
開始後60分を経過しても,どのプレパ
ラートにおいても、高倍率の顕微鏡観察
では, 細胞質に含まれる小さな顆粒
(a)
が細胞内を一定方向に移動していた。
細胞の体積(相対値)
Cエタノール水溶液
100
80
60
ABエチレングリコール水溶液
Aスクロース水溶液
40
20
0
10 20
30 40
50 60
実験開始後の経過時間 [分]
問1 (1) 下線 (a) で示した現象は何と呼
ばれるか。また,\2)その現象は細胞がどのような状態にあることを示すか, 30字以
内で述べよ。
論述問2 実験1のAとBの結果を比較して、スクロース分子とエチレングリコール分子に
ついてどのようなことが考えられるか。 50字以内で述べよ。
【実験2】 実験1のエタノール水溶液を用いた実験から,次の下線(b)の仮説を導いた。
エタノール分子は植物の細胞壁を透過しない。
(b)
この仮説を検証するために, 実験1で用いたエタノール水溶液にくらべて,約4倍の
浸透圧(濃度)のエタノール水溶液を準備し,これを用いて同様の実験を行った。その結
果,実験開始10分後から,細胞質に含まれる小さな顆粒の移動が少しずつ遅くなり
50分後にはすべての細胞でその動きが停止した。 観察した各細胞では,細胞質に含ま
れる小さな顆粒の移動が停止するまでは,それぞれの細胞の体積変化はほとんど見られ
なかった。
論述問3 実験2の結果から考えて、仮説 (b)は正しいか それとも間違っているか。 その
理由を含めて70字以内で述べよ。 ただし, (b)は,かっこを含めて全体として1文
字として数える。
~
これ自体
論述 4 生物体の構造を調べる実験において,高い濃度のエタノール水溶液を用いて操作
することがある。 (1)その操作の名称を記せ。 (2)その目的を30字以内で記せ。
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第1章 細胞と組織
(広島大)