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次の文章を読み, 以下の問いに答えよ。
同一種内の生息地による形質の差異は必ずしも局所適応によるものとはかぎらない。 生
物の形質はすべてが遺伝的に決定されるわけではなく、 環境条件によって変化させること
ができる。 このような性質は表現型可塑性 (かそせい)とよばれる。
数を表に示す。 個体当たりの種子数
は適応度の指標であるとみなし 生
息地HとJの環境条件が適応度に
与える影響をふまえたうえで, 種 G
が生息地HとJに局所適応している
と考えられるか, また, その理由に
実験により得られた個体当たりの種子数
種子の親 生息地H
の生息地 生息地】
移植した先の生息地
生息地 H 生息地】
30
80
10
120
ついて 80字以上100字以内で説明せよ。 なお, 遺伝的な影響以外に親の形質が子の形
質に与える影響は無視できるものとする。
生息地 E
生息地 F
(1) 1
③
④
生息地ごとの形質の差異が局所適応による遺伝的変異によって生じているのか, 表現型
可塑性によるものなのかを判別する実験的な手法として, 共通圃場 ( ほじょう) 実験 ((1)
および相互移植実験 ((2)) がある。
(1) ある昆虫種D は, 環境条件の異なる2か所の
生息地EとFにそれぞれ個体群が存在している。
生息地Eの個体群では羽の色が白い個体が見ら
れるが, 生息地Fの個体群では羽の色が黒い個
体が見られる。これらの両個体群から同数の卵
を採取し, 共通圃場として実験室内の一定な環
境下で育てた。 その結果, 両方の個体群由来の
卵から羽の色が灰色の個体が現れた (図1)。 この実験について, 以下の①~④の記述
のうち適切なものに○を,適切とはいえないものに×をつけよ。 なお, 遺伝的な影響
以外に親の形質が子の形質に与える影響は無視できるものとする。
共通場
図1 昆虫種 D を用いた共通圃場実験の概念図
① 種Dの羽の色は遺伝的に決定される部分が大きい。
(2) 種Dの羽の色にかかわる遺伝子について, 生息地EとFの個体群で局所適応が
生じている。
②
(2)
:
提出日 次回授業時に提出
■POINT
生息地H
生息地H
わからない内容があれば、 教科書を使って調べてみよう。
成績に反映するので遅れても必ず提出をしよう。
生息地 J
「生息地J
図2 植物種G を用いた相互移植実験の概念図
33 種Dの羽の色は環境条件によって変わる可能性がある。
4 生息地EとFの間では遺伝的な交流が行われていない。
(2) ある植物種Gは高標高の生息地 Hと低
標高の生息地 J に個体群が存在している
これらの2つの個体群から同数の種子を採
取してそれぞれ半数ずつを生息地HとJ
で育てる相互移植実験を行った。育てた
植物はそれぞれ成長して種子を生産した
図2)。 個体当たりの得られた種子の
評価