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第2章 統計的な推測
10
5
9
仮説検定
数学Ⅰで学習した仮説検定について, 正規分布を利用する方法を学ぼう。
A
仮説検定
ある1枚のコインを100回投げたところ, 表が61 回出た。 この結果
から 「このコインは表と裏の出やすさに偏りがある」 と判断してよい
ろうか。
すると, 表が出る確率と裏が出る確率は等しくないから,次の [1] がい
コインの表が出る確率をとする。 表と裏の出やすさに偏りがあると
える。
ここで,[1] の主張に反する次の仮定を立てよう。
[1] p=0.5
[2] p=0.5
「表と裏が出る確率は等しい」と仮定
出本
001
[2]の仮定のもとでは, 1枚のコインを100回投げて表が出る回数x
は,二項分布 B(100,0.5) に従う確率変数になる。
2
期間に含ま
たのだから。
覚えるとの主張
ると判断してよさ
2
一般に、母集団に関して
果によって、この仮説
検定という。また、
するという。 前ペー
が棄却されたこ
仮説検定では、前ペー
こると仮説を棄却
基準となる確率αを
たは 0.01 (1%)と定め
有意水準αに対して
B
15
Xの期待値mと標準偏差のは
ような確率変数の値
m=100×0.5=50,
o=√100×0.5×0.5 = 5
78 ページ参照
範囲を有意水準α
であるから, Z=
X-50
5
は近似的に標準正規分布 N(0, 1) に従う。
ページの例では、 ①
正規分布表から
y
P (-1.96 ≦ Z≦1.96) = 0.95
である。 確率変
ければ、「仮説を乗
0.95
120
である。このことは, [2] の仮定のもとで
0.025
きない場合、その
0.025
Z-1.96 または 1.96 ≦ Z
①
という事象は,確率0.05 でしか起こらない
22
1.96-01.96-
ことを示している。