問題 45 自然数mに対し,mの正の約数全体からなる集合を D(m) と書く。例えば,D (6) = {1,2,3,6
である。 自然数m, nに関して, 次のことを証明せよ。
(1) D(m) D(m) D(m+n)
(2) D(m) UD(n) CD(mn)
(奈良県立医科大)
(3)m=D(n) ならばD(m) D(n) であり, 逆もまた成立する。
(1)a=D(m) D(n) とすると, a∈ D(m) かつα∈ D(n) であるからa∈D(m) D(n)ならに
m = ami, n=an (mi, n は自然数)
と表すことができる。
このとき
m+n=am+an=a(mi+mi)
である。 m1, n が自然数のとき, m+n も自然数であるから, a は
m+nの約数である。
aD(m+n) を示す。
自然数a, mに対して、
αがmの約数のとき
m=am」 となる自然
m が存在する。
よって
a = D(m+n)
したがって
D(m)(D(n)CD(m+n)
b=D(m)UD(n) とすると, b∈D(m) または b∈D (n) であるから6D(m) UD (n) なら
m=bm または n=bn (m2, n2 は自然数)
b = D(mn) を示す。
と表すことができる。
(ア)m=bmz のとき
mn= (bm2)n = b(m₂n)
である。 m2, nが自然数のとき, mnも自然数であるから,bは
mn の約数である。
(イ)n=bnz のとき
mn=m(bnz)=6(mn2)
である。 m, nが自然数のとき, mn も自然数であるから,bは
mn の約数である。
よって, (ア)(イ) ともに6はmn の約数となるから
b = D(mn)
したがって D(m) UD(n) CD(mn)
n=mn (ng は自然数 )
(3) [1] m∈D(n) のとき
と表すことができる。
ce D(m) とすると
m=cm(mgは自然数)
と表すことができ,このとき
n = mng= (cm3)n3 = c(mзng)
である。 m3, n が自然数のとき, mgns も自然数であるから, cは
nの約数である。
よって c = D(n)
cED(m) ならば
ce D(n) を示す。