△ABC において 辺BC
AB=c, BC≠2a, CA = b とおくとき
(1) cos B を b c で表せ.
(2) AM2 を a, b c で表せ.
(3) AB2+AC2=2(AM2+BM2)
が成りたつことを示せ .
精講
#
B
a
M
+
a
C
C-BM
(2) 三角形の内部に線が1本ひいてあると, 1つの角を2度使うこ
とができます. この問題でいえば, ∠B を △ABC の内角と考え
て(1)を求め,次に △ABM の内角と考えて AM2 を求めることが
それにあたります。
(3)この等式を中線定理 (パップスの定理) といいます。この等式は,まず使
えるようになることが第1です. 使えるようになったら自力で証明すること
を考えることも大切です. また, 証明方法はこれ以外に,三平方の定理を使
う方法()や数学II で学ぶ座標を使った方法,数学Cで学ぶベクトル
(TA
を使う方法などがあります.
図中の線分AM を中線といいますが,この線分AMを2:1 に内分する
点Gを△ABCの重心といい(52) これから学ぶ数学IIの「図形と方程
「式」,数学Cの「ベクトル」 「複素数平面」 でも再び登場します.
解答
(1) △ABCに余弦定理を適用して
4a²+c2b2_4a2+c2-62
cos B=
2.2a.c
4ac
(2) ABM に余弦定理を適用して
COSA=Bi
260
AM²=c²+a2-2ca cos B=c²+a24a²+c²-b² b²+c²-2a²
2
=
2
(3)a=BM,b=AC, c=AB だから, 2AM²=AC2+ AB2-2BM2
よって, AB2+AC2=2(AM2+BM²)