5
A 仮説検定
ある1枚のコインを100回投げたところ,表が 61 回出た。この結果
から,「このコインは表と裏の出やすさに偏りがある」と判断してよいだ
ろうか。
コインの表が出る確率をする。 表と裏の出やすさに偏りがあると
すると,表が出る確率と裏が出る確率は等しくないから,次の [1] がい
える。
10
[1] p=0.5
ここで, [1] の主張に反する次の仮定を立てよう。
[2] p=0.5
「表と裏が出る確率は等しい」 と仮定
[2] の仮定のもとでは, 1枚のコインを100回投げて表が出る回数 X
は,二項分布 B(100,0.5) に従う確率変数になる。
15 Xの期待値 m と標準偏差は
m=100×0.5=50,
20
=√100×0.5×0.5=5
X-50
であるから, Z=
は近似的に標準正
y
5
0.95
規分布 N(0,1) に従う。
正規分布表から
0.025
P-1.96 ≦ Z ≦1.96)=0.95
~1.960
~1.96
である。このことは, [2] の仮定のもとで
Z≦-1.96 または 1.96 ≦ Z
......
①
という事象は,確率 0.05 でしか起こらないことを示している。
0.025