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2 細胞分画法
標問 2
扱う 細胞分画法/密度勾配遠心法
関
解答・解説
p.8
生物基礎 生物
植物の緑葉を用いて, 以
下の手順で密度勾配遠心法
を行った。
表 1
スクロース濃度
質量パーセント (%) 注1 20
体積濃度(g/L) 注2
30
40
50
60
216.2 338.1 470.6 614.8 771.9
濃度の異なるスクロース
(ショ糖) 水溶液を重層した
遠心管を準備した。 用いた
スクロース水溶液の質量
注1: たとえば, 20%スクロース水溶液は溶液100g中にスク
ロース 20g を含む。
注2: たとえば, 20%スクロース水溶液は溶液1L(リットル)
中にスクロース 216.2g を含む。
パーセントと体積濃度の関係を表1に示
す。 ある植物の緑葉を等張液中でつぶし
て細胞破砕液を作製した。 この操作に
よってある割合で細胞小器官も破壊さ
れ,その内部の構造体が遊離した。 この
細胞破砕液をスクロース水溶液の上に重
層し(図1, 遠心分離前), 遠心分離機に
かけて遠心操作を行った。 遠心分離後,
① 細胞小器官やその他の構造体は密度に
応じて分離され,図1の矢印
1~6のいずれかの位置に濃
縮された (図 1, 遠心分離後)。
細胞小器官の密度は生物種や
スクロース
水溶液 (%)
3030 ¥5080
位置番号
<-1
細胞破砕液
20
20
<-2
30
13
40
40
<14
50
<-5
DAC60
60 ← 6 (沈殿)
遠心操作
遠心分離前
遠心分離後
図1
表2 細胞小器官の密度
細胞小器官
1.10
(a) 核 (b) ゴルジ体 (c) ミトコンドリア
(g/cm³) 1.32
1.20
細胞の種類によって異なるが,この実験に用いた植物細胞の3種類の細胞小器官の密
度を表2に示す。 なお, 実験中に遠心管内のスクロース水溶液は濃度変化しなかった
ものとする。
★★問1 下線部①について, 遠心分離後に表2の細胞小器官 (a)~(c) は主に遠心管のどの
位置に分離されていると考えられるか, 細胞小器官ごとに対応する図1の位置番号
を記せ。
新
実
問2 遠心分離後, 遠心管の図1の位置番号1~6のうちの2ヶ所が緑色を呈してい
した。この観察結果について、以下の(1)~(3)の問いに答えよ。
(1) 緑色を呈する物質の名称を記せ。
(2緑色を呈していた2ヶ所の位置には,それぞれどのような構造体が濃縮されて
いると考えられるか。 それらの名称を記せ。
(3)この観察結果から, 実験操作中にどのようなことが起き、 緑色の構造体が2ヶ
所に分かれたと考えられるか,記せ。
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細胞と個体
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