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[小説
『雨月物語』
上田利
うたまくら
さぬきのくに
文法助動詞④定ム
(注1)
①よもすがらくやう
さいぎょう
歌枕を巡る旅で讃岐国(現在の香川県)に渡った西行は、新院の陵墓を訪れ、供養を行った。
山自己の願望「~たい」
しづか
終夜供養し奉らばやと、御墓の前のたひらなる石の上に座をしめて、経文徐に誦しつつも、か
つ歌よみて奉る。 「申し上げる」
(注2)
松山の浪のけしきはかはらじをかたなく君はなりまさりけり
もの寂しい
そ
猶心怠らず供養す。露いかばかり袖にふかかりけん。日は没りしま奥めだ
ゆか
(注3) ふすま
①すさま
山深き夜のさま常なら
(注4)+
5 ね、石の牀木葉の衾いと寒く、神清み骨冷えて、物とはなしに凄じきここちせらる。月は出でし
(注5)
(注6) ん
かど、茂きが桃は影をもらさねば、あやなき闇にうらぶれて、眠るともなきに、まさしく「円位円
位。」とよぶ声す。眼をひらきてすかし見れば、その形異なる人の、背高く痩せおとろへたるが、
いろあや
さま
顔のかたち着たる衣の色紋も見えで、こなたにむかひて立てるを、西行もとより道心の法師なれ
た
さき
ば、恐ろしともなくて、「ここに来たるは誰そ。」と答ふ。かの人いふ。「前によみつること葉のか
m へりこと聞こえんとて見えつるなり。」とて、わが身を「松山に流れてきた船」に
ただ
うれ
「松山の浪にながれるこし船のやがてむなしくない
喜しくもまうでつるよ。」と聞こゆるに、新院の霊なる
そのまま死ぬの焼
けるか
地にぬかづき涙を流してい
せ えんり
多い気持ち
③けぎゃう
ふ。「さりとていかに迷はせ給ふや。濁世を厭離し給ひつることのうらやましく侍りてこそ、今夜
ほふせ (注7)
(注8)
6 1
いきやくしゅうそく
の法施に随縁し奉るを、現形し給ふはありが
も悲しき御こころにし侍り。ひたぶるに隔生即
(注9)
こころ
いさ
まう
5 忘して、仏果円満の位に昇らせ給へ。」と、情をづくして諫め奉る。
新院に次女を見せたこと
すくいん
ほうげん
(注)
新院
崇徳院のこと。保元の乱に敗れて讃岐国に流され、その地で没した。
①本
2 松山
崇徳院の陵墓がある場所は、当時松山という地名であった。
3
夜具。 4.神
5 うらぶれて
Hus
悲しみに沈んで。
現世の妄執を忘れること。
円位
6
西行の最初の法名。
仏果円満
7 随縁 仏縁にあやかること。
功徳が満ち足りて成仏の果報を得ること。
のも悲しい
文法 二重傍線部A~Dの中から、断定の助動
詞をすべて選べ。
問二語句 二重旁泉
【3点】
の
解釈をする
が、わが身を
]になぞらえた歌
で、私も松山に流れてきて、
==
ず」と
詠んでいる。
C