束の考え方
1つの共有点をもつような2つの直線
ax+by+c=0
ax+by+c=0
...... ②
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があるとします.ここで、①の式に②の式をを倍して足した新しい式
(ax+by+c)+k(a'x + b'y + c') = 0
を作ってみましょう.これもやはり直線の方程式になります。 ③の式から②の
式のk倍を引き算すれば① の式が作れるのですから, 「①と②」の式と「②と
③」 の式は同値です。つまり、図形的に見れば、 ①と②の2直線の交点と②と
③の2直線の交点は一致することになります。
一致する
*
このことより,
③は(kの値によらず) ①と②の交点を通る直線である
ということがいえます. ③において, kの値をいろ
いろと変化させてできる直線の集まりは一点で結わ
れた直線の束に見えるので,直線束と呼ばれていま
す. これを利用すると, 2直線の交点を通る直線を
実際に交点を求めることなく扱うことができるので
とても便利です。
コメント
んの値が動くと
直線が動く
直線束
第3章
この束には、②の直線は含まれません,これは, 「同値関係」を考えてみれ
ばわかります. もし③が② に一致するならば, 「③と②の共有点の集合」は直
線 ②全体になってしまいますが,「①と②の共有点の集合」 は1点ですので、
同値であることに矛盾してしまうのです. 一方, ②の直線上にない点を
(p,g) とすると,ap + b'y + c'≠0 ですので,③が(p, q) を通るようなkの
値を決めることができます (③ に (p, g) を代入したものはんの1次方程式にな
るので,それを解けばいいのです) つまり,③は 「①と②の交点を通る ②以
「外のすべての直線」 を表せることがわかります.