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ある者の物語に、染名屋徳蔵と言ふ者、「名ある船乗りの名人にて、所々難海どもを乗りし事あり。
Jの躍母しなやは、「月の時日に出船する事、必ず すくしと言e。ある時想 わ方にてかありけん、たた「くト
やSにJ!、はかに風かはり逆液立ちて、黒雲覆ひかかり報を中有にきあぐるやうにて、肝魂も消え入るべきを食
するしRたるなれば、 ちつとも動ぜずしてうづくまりける。 向かひへ背の高さ一大ばかりの大入道、両眼は鏡へ朱をさい
x l☆の文章を読んで、後の問いに答えよ。(配点 三〇)
(州一)
し。」と答へければ、かの大入道たちまちに消えうせ、彼風も静まり、ければ、恵蔵はからき命を助かりけるとぞ。徳蔵をと
ことを人に話しければ、
ある時徳蔵北海乗りける時、風はげしく方角をも分かたず吹きつけしに、船中食物切れて肌に及べり。やうやく新米の激り
東ありしを、潮に浸し噛みしめて、口腹を潤し命をつなぐ、同船の者三四人ありしが、いづれも声をあげて泣き叫び、徳蔵に言え
(型)
は、「かやうなる大風にて船を覆し、あるいは破船などせんとする時ば、を放ち帆注を切ることと申すなれば、いざやそSとり
スる宿盛S時ひをなせり。
(型m)
りにせん。」と言ふ。徳蔵日く、「我はそのこといやなり。船主と生まれしうへは、ただその職分を大切にして、ほかの心の面
ことでさらになし。また帆柱は船中肝心の道具にして、武士の腰の物のごとし。およそ持たる者命が惜しきとて、腰の物を打お
つると言ふやある。命は天命なり。風は天変なり。6人力に及びがたし。また揚を払ひ出家になりたりとも、などや仏神の喜びた
まはんや。命借しくての仕方なし坊主と結句笑はせたまはんか。我は戦場にて討ち死にの覚悟、なり。天の助けあらば助かるペし
6 さなくばここにて死するとも本望なり。」とて、あへてたぢろぐ気色なし。そのうちに風静まり波をさまりて、難なかりしとそ
(出マ)
や4マ
(「雨窓閑話」による)
() - ー 中"空間。
m サ一S帆をかかげるための柱、マスト。
N 一S毛を頭の上にめて来ねた所。またその髪。
* 翌 -えって
問 - 二重傍線部O.●の本文中における意味として最も適当なものを、次の各群の1~4のうちからそれぞれ一つずつ選び、番
1 大勢を率いている
N をprトている
9 <長いれている
人工的なものではない
2 人間の力を超えている
人力に及びがたし」
3他人の力は頼りにならない
す 撃RSAる
4 人間の能力には及ばない
問二 傍線部X.Yの助動詞のここでの文法的意味を、それぞれ答えよ。
問三 傍線部ア·ウを現代語訳せよ
問四 傍線部イとあるが、この内容として最も適当なものを、次の1~4のうちから一つ選び、番号で答えよ。
1船が転覆、難破しそうなとき、馨や帆柱を切り落とすこと。
2 磐を切りさらに帆柱を切ることで、出帆前に安全を祈願すること。
3他の船乗りの手本となるために、替や帆柱を切ってみせること。
4海神を鎮めるために、馨を切るか帆柱を切るか選択すること。
間五波線部とあるが、徳蔵はどういう人物として描かれているか。本文中の例を挙げながら、六十字以内で説明せよ。
JJ 屋にて、 「わがなのや°」と言ひければ、 「世を渡るのほかに別きておそろしき事はな