第2問 次の文章(AB) を読み、 後の問い (問1~4) に答えよ。 (配点18)
A ヒトでは,3種類の錐体細胞が色覚を担っている。 各錐体細胞には光に反応す
る物質(視物質)が1種類ずつ存在し、3種類の視物質はそれぞれ異なる波長の光
に反応する。これら3種類の視物質それぞれをつくる三つの遺伝子のうち、一つ
は常染色体に存在する。 残りの二つはX染色体上に並んで存在し, (a) 遺伝子重
複によって生じたと考えられている。他方、多くの哺乳類では、この遺伝子重複
が起こっていないため,視物質をつくる遺伝子がX染色体上には一つしかな
く、2種類の視物質からなる二色型色覚になっている。 (b) ノドジロオマキザル
という霊長類の一種では,X染色体における遺伝子の重複は起こっていないも
かかわらず, 二色型色覚の個体(以下, 二色型)と三色型色覚の個体(以下,三色
型)とが共存している。 ノドジロオマキザルでは,X染色体上の一つの遺伝子座
に複数の対立遺伝子があり,それぞれの対立遺伝子は互いに異なる色に対応する
ため,X染色体の遺伝子座がヘテロ接合になっている個体は, 三色型になる。な
お,ノドジロオマキザルは, ヒトと同じ性決定様式を持つ。