44 平行板コンデンサーにおける振動
面積Sの同じ形状を持つ導体極板AとBが間隔dで向かい合わせに配置された平
行板コンデンサーを, 真空中に置く。 このコンデンサーの極板間に、導体極板と同じ
形状を持つ面積Sの金属板Pを, 極板Aから距離を隔てて極板に対して平行に置
く。 真空の誘電率をE0として以下の問に答えよ。 ただし, 極板端面および金属板端
面における電場の乱れはなく, 電気力線は極板間に限られるものとする。 導線, 極板,
金属板の抵抗,重力は無視する。 また金属板の厚さも無視する。
A
[A] 図1のように,極板AとBは, スイッチ SW を介して接続され,極板Aは接
地されている。
L
x
d
1 コンデンサー 317
P
SW
(2012年度 第2問)
B
図 1
(a) スイッチ SW が開いている時, 極板A, B間の電気容量を求めよ。 團
(b) スイッチ SW を閉じた後, 金属板Pを電気量Qの正電荷で帯電させる。 こ
の電荷によって極板AとBに誘導される電気量を,それぞれ求めよ。
(c) 問(b)において, コンデンサーに蓄えられている静電エネルギーを求めよ。 團
(d) 問 (b)の状態から, 金属板Pを電気量Qの正電荷で帯電させたまま, 金属板
の位置をxからx+4xまで微小変位させる。 この変位による, コンデンサー
に蓄えられている静電エネルギーの変化量を求めよ。 ただし, x, d に比べて
|4x|は十分小さく. (△x) は無視できるものとする。 微小変位によりエネルギ
ーが変化するということは, 金属板Pは力を受 ることを意味する。 微小
変位の間は金属板Pにはたらく力の大きさは一定であるとみなして, この力を
求めよ。ただし、極板AからBに向かう向きを力の正の向きとする。