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例
〈注意〉有意水準αで仮説検
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ことがある。
ある1枚のコインを400回投げたところ, 表が 183 回出た。この
コインは表と裏の出やすさに偏りがあると判断してよいかを
意水準 5% で検定してみよう。
有
表が出る確率を♪とする。 表と裏の出やすさに偏りがあるなら、
0.5 である。ここで,「表と裏の出やすさに偏りがない」
すなわち p = 0.5 という仮説を立てる。
0
この仮説が正しいとすると, 400回のうち表が出る回数 X は,
項分布B (400,0.5) に従う。 Xの期待値 mと標準偏差は
m=400×0.5=200,0=√400×0.5×0.5=10
-m
X-200
よって,Z=
10、
60
は近似的に標準正規分布 N (0, 1)に従う。
正規分布表より P(-1.96≦Z ≦1.96) = 0.95 であるから,有意
水準 5% の棄却域は Z≦ -1.96 または 1.96 ≦ Z
183-200
X=183 のとき Z=
10
=-1.7 であり,この値は棄却域
このことは、[2]の仮
に入らないから、仮説を棄却できない。
すなわち、この結果からは,コインの表と裏の出やすさに偏りが
あるとは判断できない。
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