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19 用言と活用形の用法
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用言と活用形の用法
空欄に適切な語句を補おう。 色の薄い文字はなぞってみ
よう。
1 用言の定義と種類
自立語で活用があり、単独で述語となることができる語
を総称して言といい、次の三種類に分けられる。
A 動作・作用・存在を表し、言い切りの形が主にウ段音
になる語を動という。「り」で言い切るものもある。
B 事物の性質・状態を表し、言い切りの形が「し」になる
語を容詞という。「じ」で言い切るものもある。
C事物の性質・状態を表し、言い切りの形が「なり」また
は「たり」になる語を
動詞という。
かつようごび
活用・活用語尾 語幹
活用語が語形変化する際の、変化する部分を話
尾といい、変化しない部分をという。
3 活用形
活用語が活用する場合、 その使われ方によっておおむね
六種類の語形に分かれる。この語形を
という。
(左の文字の薄い部分はなぞってみよう。)
○ 外形」「未だ然らざる」形(動作がまだそう
らざる」形(ていなほこそうなっ)
●形用言に連なっていく」形
終止させる」形
連体形 体言 (名詞)に連なっていく」形
ON
然形に熱る」形(動作がすでにそうなって)
in
0
る
en
る
人形「命令する」形
活用表の作り方
によって語形が変化したものを一覧表にまとめ
たのが活用で、その作り方にはいくつかの約束事
がある。「知る」という動詞の例で確認してみよう。
ここは、と活用の両方を書く。 活用形
基本形
副幹
行 未然形用形 終止形 連体形 已然形 命令形
知る
知
ら
れ れ
終止形 片かなで書く
活用語尾だけを平がなで書く
早く
ガイド
用言の種類とその性質について習熟しよう!
六つの活用形の主な用法を覚えよう!
次は、 活用形の主な用法を示したものである。空欄を補って確認しておこう。
単独で用いられることはなく、必ず助動詞か助詞が下に、
未代形の主な用法 ( ついて用いられる。
① 助動詞「ずむ〈ん〉
② 助詞「ば」 (仮定条件)
むずんず〉・る・らる・す・さす」などがつく。
「で・なむ〈なん〉・ばや」などがつく。
形の主な用法
③連用修飾語となって他の用言を修飾する。(副詞法または連用修飾法)
④文をいったん中止して下に続ける。 (中止法)
⑤ 助動詞「きけり・つ・ぬ・たり(完了)けむけん〉」などがつく。
⑥ 助詞「てつつ」などがつく。
終止形の主な用法
⑦文を終止する。 (終止法)
⑧ 助動詞 「べし・めり・らむ〈らん〉」などがつく。
⑨助詞「ともや」などがつく。
形の主な用法
⑩ 連体修飾語となって下の体言を修飾する。 (連体法または連体修飾法)
⑩ 体言に準じて用いられる。 (⑩の用法で下にくる体言が省略されたもの)
(準体法)
29 係助詞 「ぞ・なむ〈なん〉・や・か」の結びとなって文を終止する。 (終止法)
2 助動詞「なり(断定)ごとし」などがつく。
2助詞「が・に・を」などがつく。
已然形の主な用法
⑤5 助詞「ば・ど・ども」がついて確定条件を表す。
⑩ 係助詞「こそ」の結びとなって文を終止する。 (終止法)
人形の主な用法
⑦7 命令の意味で文を終止する。 助詞「かし」がつくこともある。(命令法)
⑩ 「~してもよい~してもかまわない」 の意味を表す。 (許容・放任法)
次の傍線部の活用形の用法を、 右の①~ 29 の番号で答えなさい。
(右の説明の太字部分と左の文中の傍点を参考にしてチャレンジしてみよう。)
① いささかに雨降る。しばしありて止みね。
ほんの少し
雨が降る。
しばらくして、
〔土佐日記]
やんだ。
ウ
助動詞「き」の連体形。
いつしか梅咲かなむ。 来むとありしを、さやある。
U
〔更級日記]
キ
梅の花が咲いてほしい。 (その頃来ようと言ったが、本当にそうか、
H
カ
③ 生死の欄にあづからずと言はば、実の理を得たりと言ふべし。(徒然草)
生か死かという相にかかわらないと言うならば、それはそれで)真の道理を体得していると言ってよい。
ケ
サ