3 下線部©に関連して, 次の文章は,正義について考察したロールズが, 正義
を論ずるときの主題について述べたものである。その内容の説明として最も適
当なものを,下の0~④のうちから一つ選べ。
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正義の第一義的*な主題をなすものとは,〈社会の基礎構造)なのである。
·基礎構造にはさまざまな社会的地位が含まれており,異なる地位に生ま
れ落ちた人は人生に関して異なる予期を抱くことになるけれども,そうした
各人の予期はおのおのの経済的 社会的情況のみならず, 政治のシステムに
よっても(部分的に)決定されるものである……。 このような仕方でもって,
社会の諸制度は一定のスタート地点を占める人びとのほうを他の人びとより
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も優遇する。これらの優遇措置はとりわけ深刻な不平等につながる。この種
の不平等は……人生の出発点を画するさまざまな機会·見込みに影響を与え
る。しかも,これらの不平等は実績や功績といった観念に訴えることによっ
てはおそらく正当化できない。
…こうした不平等に対してこそ, 社会正義
(3
の諸原理が第一の審級** として適用されなければならない。(『正義論」より)
*第一義的:根本的
**第一の審級:最初に行われる審査
社会の基礎構造がもたらす不平等は,各人の生まれ落ちた地位によるもの
なぜなら, 深刻な不平等は,各人の未来に横たわる経済的·社会
ではない。
的情況や政治のシステムによってもたらされるからである。o
の/社会の諸制度は,人生の出発点の違いに応じて人々の間に深刻な不平等を
盾?
もたらす。なぜなら, 社会制度のなかには, 人生において, ある出発点を占
める人々の方を他の人々よりも優遇するものがあるからである。→l6~?r~合.
社会の基礎構造がもたらす不平等は,各人の生まれ落ちた地位によるもの
ではない。人生の出発点における不平等は、各人の努によっそ是正できる。
COzPl~L7aす。
ものであり、正義の原理にかなっている。
e9~10に反する。
の 社会の諸制度は, 人生の出発点の違いに応じて人々の間に深刻な不平等を
もたらす。しかし, そのような不平等は, 主に経済的·社会的な面に限られ
ており, 機会の平等を損なうものではない。
27m8n構.
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