594. フランク・ヘルツの実験
解答
(1) 解説を参照 (2) 2.5
指針 加速された電子の運動エネルギーが, 水銀原子の基底状態と,
最もエネルギーの低い励起状態とのエネルギー差に等しくなるとき, 原
子内の電子を励起し、エネルギーを失う。 エネルギー差に等しくないと
きは、原子内の電子を励起できず, エネルギーを失わない。
解説 (1) FG間の電位差で加速された電子は,その運動エネル
ギーが小さいとき, 水銀原子に衝突しても, 原子内の電子を励起でき
ないので,途中でエネルギーを失うことなくPに達する。 しかし, 加
速した電子のエネルギーが, 水銀原子の基底状態と, 最もエネルギー
の低い励起状態とのエネルギー差に等しくなると,電子は,水銀原子
内の電子を励起し, エネルギーを失う。 このため,電子は, Gよりも
わずかに電位の低いPに到達できなくなり、 電流計に流れる電流が減
少する。 さらに電位差Vを大きくすると,やがて電子のエネルギーは,
2回目の励起によって失われ、 再び電流が減少する。 このようにして,
電流は,増加・減少を繰り返す (図)。
(2) 電位差Vが4.9V 大きくなるたびに、電流は減少を繰り返すため.
水銀原子のエネルギー準位の差は 4.9eV である。 また, 観測される紫
外線は, 励起された水銀原子内の電子が基底状態にもどるときに放出
される光子であり, 4.9eVのエネルギーをもつ。
プランク定数をん, 電気素量をe, 光速を c, 紫外線の波長を入とする
と. eV=
入について整理し, 各数値を代入すると,
i=
hc
eV
=
hc
入
( 6.6×10-34) × ( 3.0×10)
(1.6×10-19)×4.9
= 2.52×10-7m 2.5×10-7m
理
C