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・5番8番
思考力・判断力にかかわる問題1
思考・判断
〈P22~25>
LO
玉勝間
しぶごぜん
問1
次は、上の歌(I)とその本歌(Ⅱ)である。これを読んで、後の問いに答えよ。
次の文章は、源義経の恋人、静御前に関する記述である。 兄頼朝
と対立し、追われる身となった義経は、雪山で静と別れる。 その後、
静は捕らえられ、鎌倉へと移送される。
しづやしづしづのをだまきくりかへし昔を今になすよしもがな
しづかちょ
くわいらう
むかし物言ひける女に、年ごろありて、
品ならびに御台所、鶴岡の宮に参り給ふついでに、静女を廻廊にめ
でて、舞曲を施さしめ給ふ。 去ぬるころより度々せらるといへど
も、かたくいなみ申せり。 今日座に臨みても、 なほいなみ申しけるを、
さゑもん じょうすけ
貴命再三に及びければ、仰せにしたがひて、舞曲せり。左衛門の尉祐経
E
いにしへのしづのをだまきくりかへし昔を今になすよしもがな
と言へりけれど、何とも思はずやありけむ。 (伊勢物語・三十二段)
ぎんしゅつ
(注1)
はたけやまちうしげただどびし
つづみを打ち、畠山次郎重忠銅拍子たり。静まづ歌を吟出していく、
吉野山峰の白雪ふみ分けて入りにし人の跡ぞ恋しき
次に別物の曲をうたひて後、また和歌を吟じていはく、
(注2)
しづやしづしづのをだまきくりかへし昔を今になすよしもがな
はばか
ばんぜい
二品仰せにいはく、「もつとも関東の万歳を祝すべきところに、聞こ
しめすところを憚らず、反逆の義経をしたひ、別れの曲をうたふ事奇怪
なり。」とて、御けしきあしかりしに、御台所は、貞烈の心ばせを感じ給
ふによりて、二品も御けしき直りにけり。しばしありて、 れんちゅう
簾中より
おんぞ
(注3) てんとう
里ねの御衣をおし出だして、纏頭せられけり。
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2 よしもがな方法があればなあ。
(注) 1 しづやしづしづのをだまき――「しづ」は古代の織物の名。 「だまき」は
紡いだ糸を丸く巻いたもの。「しづやしづ」は、自分の名の「静」を「静よ静
よ…」と詠み込んでいる。
歌の美を与えること。
8
蒙求
かん
りゅうかん
次の文章は、後漢の時代の名臣劉寛に関するエピソードである。
ある時、劉寛が帝に謁見した際に、酒席が設けられた。
1
統合 次の文章は、ⅠとⅡの歌の共通点や相違点をまとめたものである。
その文章の空欄を補うのに適切な語句を、iは簡潔に書き、in畄は後の選
択肢から選んで書け。
○どちらの歌も「
【i-7点・各5点】
」と詠んだものである。しかし、Iの歌が、
であり、同じ
i
であるのに対し、Iの歌は、
ように詠んでいても、その意味合いが異なっている。
ア昔から好きだった相手に思いを伝える歌
イ疎遠にしていた相手に復縁を望む歌
ウ
亡くなった恋人をなつかしむ歌
自分を置き去りにした恋人を恨む歌
いち
オ 生き別れた恋人を一途に恋い慕う歌
E:
ii
iii
2 推論論理傍線部から、女はどのような対応をとったと推測できるか。
簡潔に書け。
<P34~3
問2
る。
言語活動 次の会話は、上の文章を読んで話し合ったときの内容の一部であ
これを読んで、後の問いに答えよ。
【8
42