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発展問題
|思考 判断
27. 細胞骨格 ■真核細胞の細胞質基質にあって,細胞に一定の形態を与えている繊維状
の構造物を「細胞骨格」という。細胞骨格は,微小管, アクチンフィラメント, 中間径7
イラメントの3つに分けられる。細胞骨格は細胞の構造を支えるだけでなく,さまざまな
細胞機能に関わっている。微小管およびアクチンフィラメントは,細胞分裂のときにそれ
ぞれ重要な役割を果たしており,① チューブリンやアクチンの重合を阻害すると,正常な
細胞分裂が起こらない。② アクチンフィラメントは,細胞の外形が変化するアメーバ運動
細胞内の物質や細胞小器官は,微小管の上を移動するモ
タータンパク質によって運ばれる。
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にも深く関与している。また,
細胞骨格について調べるため,ヒト由来の培養細胞Xを用いて以下の実験を行った。
〔実験1〕細胞X(染色体数は2n) の細胞周期は24時間である。 下線部①について調べる
ため,以下のような培養液の入った3つの培養ⅢA~Cの中で細胞Xを48時間培養した。
培養ⅢA:チューブリンの重合を阻害する薬剤を加えた培養液
培養ⅢB:アクチンの重合を阻害する薬剤を加えた培養液
培養皿C: 培養液のみ
HAY
〔実験2〕細胞Xは化学物質Yに向かって移動する。
下線部 ② について調べるため, 細胞Xのアクチン
フィラメントを蛍光物質で標識した(図1)。 この
標識された細胞Xを培養液の入った培養皿に入れ,
端においた細いガラスのピペットの先端から静かに化学物質Yを出して細胞のようすを
顕微鏡で観察した。
FREE
図1 アクチンフィラメントを
蛍光標識した細胞X
問1.実験1の結果について, 培養ⅢCと比較して, 培養ⅢAおよびBの中に正常でない
細胞が観察された。 それぞれどのような細胞か述べよ。 また, そのような細胞ができた
理由について説明せよ。
abb
問2.実験2を始めてしばらくすると, 細胞Xの形が変わり,化学物質Yの方へ移動し始
めた。 移動中の細胞とアクチンフィラ
メントのようすを表す最も適切なスケ
ッチを右のa~c から選べ。 また, そ
の理由について説明せよ。
問3.下線部③に関連して, メダカのうろこに存在する色素胞と呼ばれる細胞では,色素
顆粒がモータータンパク質によって輸送されており、色素顆粒の分布状態によって体色
が明るくなったり暗くなったりする。 色素胞内における色素顆粒の輸送とそれに伴う体
色変化について, 「キネシン」, 「ダイニン」, 「中心体」という語句を用いて説明せよ。
(16. 滋賀医科大改題)
蛍光標識された
アクチンフィラメント
ヒント
3. 色素胞内で色素顆粒が全体に広がると体色が暗くなり、中央部に集まると明るくなる。
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種膜質かをなし照た化が問問
(
問
問