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の 46. 皮膚移植 04分) ヒトは外界からの菌などの侵入を防いでいるが、その防御が破られて体内に異
物が侵入すると,樹状細胞などがその侵入した異物を分解じ,ヘルパーT細胞に抗原情報として伝え、
適応免疫(獲得免疫)がはたらく。抗原の情報を受け取ったヘルパーT細胞は,同じ抗原を認識するキ
ラーT細胞を刺激して増殖させる。自分とは異なる MHC*をもつ他人の皮膚が移植されると,キラー
T細胞がその皮膚を非自己と認識して排除し,移植された皮膚は脱落する。
* MHC:細胞の表面に存在する個体に固有なタンパク質で,自身のものでない MHC をもつ細胞は非自己として認
識される。
問1 下線部に関連して,この現象を引き起こした免疫反応として最も適当なものを,次の0~6の
うちから一つ選べ。
0 自己免疫
問2 下線部に関連して,MHC が異なる3匹のマウスX, Y, およびZを用いて皮膚移植の実験計画
を立てた。マウスXとYには生まれつきT細胞が存在せず,マウスZにはT細胞が存在する。また,
マウスもヒトと同様の免疫機構によって,非自己を認識して排除することが知られている。これらの
ことから,予想される実験結果に関する記述として最も適当なものを,次の0~0のうちから一つ
の 凝集反応
O 免疫寛容
0 細胞性免疫
6 体液性免疫
選べ。
0 マウスXの皮膚をマウスYに移植すると,拒絶反応により脱落する。
O マウスYの皮膚をマウスZに移植すると,拒絶反応により脱落する。
O マウスZの皮膚をマウスXに移植すると,拒絶反応により脱落する。
@ マウスZの皮膚をマウスZに移植すると,拒絶反応により脱落する。
[18 センター追試改)
@ 47. 免疫と医療03分) ヒトには,異物の侵入を防いだり侵入した異物を除去したりする生体防御の
しくみが備わっており,病気の予防や治療に応用されている。例えば,毒性を弱めた病原体や無毒化し
た毒素を注射することにより,形質細胞となる( ァ )を増加させて病気を予防することがよく行われ
る。また,毒素をウマなどの動物に注射して抗体を含む( イ )をあらかじめつくらせておき,それを
注射して毒素を中和する治療も行われている。しかし,時として過剰な応答が起こる場合や,逆に必要
な応答が起こらない場合がある。免疫機能の異常に関連した疾患の例として,アレルギーや後天性免疫
不全症候群(エイズ)がある。
問1 上の文章中の( ア).( イ )に入る語句の組合せとして最も適当なものを,次の0~0の
うちから一つ選べ。
ア
イ
ア
イ
0
の
食細胞
食細胞
の
好中球
ワクチン
の
食細胞
の
の キラーT細胞
の
血 清
記憶細胞
好中球
記憶細胞
ワクチン
記憶細胞
血 清
好中球
@ キラーT細胞
ワクチン
キラーT細胞
血 清
問2 下線部に関する記述として誤っているものを,次の0~6 のうちから一つ選べ。
0 アレルギーの例として,花粉症がある。
O ハチ毒などが原因で起こるアナフィラキシーショックは、アレルギーの一種である。
O 栄養素を豊富に含む食物でも,アレルギーを引き起こす場合がある。
O エイズのウイルス(HIV)は,B細胞に感染することによって免疫機能を低下させる。
6 エイズの患者は,日和見感染を起こしやすくなる。
(15 センター本試,追試)
第4章 体内環境の調節と免疫|| 43
第2編| 生物の体内環境の維持