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命題と条件
次の2つの文は、 正しいことを述べているといえるだろうか。
(B) 「√2+√3=√5である」
ここでは、ある事柄について述べられた文や式が, 正しいか正しくないかを
(A) 「整数4は偶数である」
論理的に考えるために, 命題と条件について学ぼう。
A 命題
いか正しくないかが定まる文や式を命題という。また, 命題が正しい
上の2つの文について, (A) は正しく, (B) は正しくない。 一般に,正し
しん
であるという。たとえば,上の命題(A)は真であり, 命題(B) は偽である。
とき、その命題は真であるといい, 正しくないとき, その命題は偽
補足 100 は大きい数である」 は,正しいか正しくないかが定まらないから
命題ではない。
次の命題の真偽を述べよ。
(1) 実数 -3 について√(-3)^=-3 である。
(2) 正三角形は二等辺三角形である。
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第2章 集合と命題
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B 条件
文字 x を含む文や式には,xの値によって,その真偽が変わるものが
ある。たとえば「x>3」 という式は,x=4 のときは真であるが, x=2
のときは偽である。
「x> 3」, 「x は素数である」 などのように, 文字x を含む文や式で,x
に値を代入することで真偽が定まるものを, x に関する条件という。
条件を考える場合には、条件に含まれる文字がどんな集合の要素かを
はっきりさせておく。 この集合を、 その条件の全体集合という。
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*条件の中には,文字を2つ以上含むものもある。 たとえば,a,bが実数を表すとき,
「a+b>0」, 「a> 0 かつ60」 などは,α, bに関する条件である。