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第1章力学
問題
18
仕事と力学的エネルギー ②
ばね定数k (N/m) の軽いばねの一端に,質
量m(kg) のおもりAをつけたばね振り子が
ある。このばね振り子をあらく水平な床面上
物理基礎
公式
A
U = 11/√ kx²
100000000 năm
Q 0
-31
P
IC
5/
置き ばねの他端を固定する。 ばねが自然長のときのAの位置を原点と
する。 図のように, Aを原点Oから点P(x=5/〔m))まで引っ張って、静か
にはなした。Aは左向きに運動し始め、点を通過した。 その後、x=-31
(m) の点Qで静止した。 床面とAとの間の動摩擦係数をμとし、重力加速度
の大きさをg(m/s) とする。
(I)Aが点PからQまで運動する間に、動摩擦力のする仕事 W (N・m) を求
めよ。
Aが点PからQまで運動するときの, Aの力学的エネルギーの変化量
⊿E (J) を求めよ。
(3) ⊿E = Wが成り立つことを用いて, μを求めよ。
弾性力による位置エネルギー(弾性エネルギー) U (J)
(k (N/m): ばね定数 〔m〕: 伸び縮み)
(I) おもりAにはたらく動摩擦力の大きさはμmg 〔N〕でPからQまでの移動
距離は8/〔m〕 である。 よって, 求める仕事 W [N·m〕 は,
W=-μmg818μmgl (N・m〕
(2) 求めるのは「力学的エネルギーの変化量」なので、 おもりAの運動エネル
ギーと位置エネルギーの和の変化量を考える。
Aは水平方向に運動しているので, 高さが変化しておらず重力による位置
エネルギーは考えなくてよい。 また, 点P, 点Qは自然長(原点O)からずれ
た位置なので,点P, 点Qにおいて, Aは弾性力による位置エネルギーをもつ。
点P,Qにおける, 弾性力による位置エネルギー Up, UQ[J] は, それぞれ,
〈千葉工業大 〉
Up =
=1/21k(50)2-252k2
=/(
9
U₁ = ½k (31)²=kl²
2
(解説)
ばねが自然長から伸びたり縮んだりしているとき, ばねの両端
には自然長に戻ろうとする向きに力が生じる。 この力を弾性力
点Pでは 「静かにはなし」 点Qでは 「静止した」 ので, それぞれの点で速
さは0.すなわち, 運動エネルギーKP, Ko〔J〕 も0になる。 よって
という。
4E = 0 +
25
0+ -kl²
2
==
8kl² (J]
変化後KQ+ UQ 変化前 K + Up
公式 弾性力の大きさF(N)
F=kx (k(N/m〕: ばね定数
〔m〕: 伸び縮み)
(3) ⊿E = Wより
※ 弾性力の向きは, 自然長に戻ろうとする向き。
- 8kl² == -8umgl
よって, μ =
kl
mg
F
⇒縮みx, 弾性力F,=kx, 弾性エネルギー U22kx2
自然長⇒弾性力0, 弾性エネルギー 0
X1 X2
mmmm
000000
F2
⇒ 伸びzy→弾性力Fy=kx, 弾性エネルギー U2=1/2k2
自然長
注 ここで, p.39 公式 力学的エネルギーと仕事の関係と p.37 公式 運動エネル
ギーと仕事の関係の違いを、しっかりとおさえておこう。
保存力である重力 弾性力について, 位置エネルギーを考えるのが 「力学的エ
ネルギーと仕事の関係」 であり, 仕事を考えるのが 「運動エネルギーと仕事の関
「係」である。 1つの式の中で、重力 弾性力の位置エネルギーと仕事を同時に考え
こることはない!
た, ばねは伸びたり縮んだりしているとき, 弾性エネルギーを蓄えている。
エネルギーは弾性力による位置エネルギーともいう。
kl
(1) W = -8μmgl〔N・m〕 (2)4E = - 8kl[J]
(3)μ=
mg
4. 仕事とエネルギー 41