3 (配点33点)
図1のように,鉛直上向きで磁束密度の大きさがBの一様な磁場中に、2本のなめ
らかな導体レール X Y が間隔で平行に置かれている。2本のレールの左側は水平で
同一水平面内にあり、途中から水平面となす角が9となるように傾斜している。 水平
部分の左端には,抵抗値R の抵抗 R, 切り替えスイッチ S,起電力 E の電池Eが接続
されている。 レール間には,長さ抵抗値R, 質量mの金属棒PP' がレールに垂直
に設置されている。 金属棒PP' は, レールと垂直な姿勢を保ったまま, レールから外
れることなくなめらかに動くことができる。 抵抗Rおよび金属棒PP' 以外の電気抵抗
は無視でき,また, 電流が作る磁場の影響も無視できるものとする。 重力加速度の大き
さをg として,以下の問に答えよ。
R
P
[CL]
Yt
P'
R, m
B
レール Y
レール X
図 1
0
切り替えスイッチSをaにつなぎ, レールの水平部分で金属棒PP'に右向きの初速
度v を与えたところ,やがて PP'はレールの傾斜部分に達することなく, 水平部分で
静止した。
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0
問金属棒PP' の速さがひとなったときを考える。このとき、金属棒PP' を P'′ か
らPの向きに流れる電流の大きさをIとする。
(1) 金属棒PP' に生じる誘導起電力の大きさを, L, B, ” を用いて表せ。 VBl
(2) 抵抗Rと金属棒PP' からなる閉回路について, キルヒホッフの第2法則を表
す式を書け。 R, I, L, B, v を用いて表せ。 VBl=2RI
(3) 金属棒 PP' の運動方程式を書け。 ただし, PP' の加速度は右向きにαとし,
a, I, l, B を用いて表せ。
ma = -IBl
(4) 加速度αを, m, R, l, B, v を用いて表せ。
VBl
VB²l²
a = - VBR XBlx m
[=
20
2R
2km
問2 金属棒PP' が動き出してから静止するまでの間に, 抵抗 R で発生したジュール
熱を求めよ。
mo²
次に, 切り替えスイッチSをbに接続し, 金属棒PP' をレールの水平部分で静かに
放す。 このとき, 金属棒 PP' は傾斜部分に達する前に一定の速さとなり, その後レー
ルから離れることなく傾斜部分を運動するようになった。
問3 金属棒PP' の水平部分での一定の速さを求めよ。
=
問4 傾斜部分を運動し, 金属棒 PP' の速さがvとなったとき, PP' の加速度を求めよ。
ただし, 加速度は斜面に沿って下向きを正の向きとする。
問5 やがて金属棒 PP' は傾斜部分で一定の速さとなる。このときの電池の供給電力
をW, 抵抗 R と 金属棒PP' での消費電力の和をPとする。 一定となった速さを
W, P, m, g, 0 を用いて表せ。
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