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基礎問
154 第6章 微分法と積分法
97 微分法の不等式への応用 (I)
精講
x>1のとき,-2x>x-3x+1となることを示せ.
(0)
不等式A>Bを示すときに, A-B>0 を示せばよいことはわかる
でしょう.だから,A,Bがこの問題のようにxの式ならば、
A-B=f(x)とおいて,f(x)>0を示せばよいことになります。
そのためには, f (x) の最小値を求めればよいのです. だから,
不等式の証明は関数の最大・最小の問題のイメージで解答を作る(C)
ことになります.
解答
f(x) = (x²-2x2)-(2-3x+1)
f(x)=A-B
=x-3x2+3x-1 とおくと
Y
y=f(x)
f'(x)=3x²-6x+3=3(x-1)0
よって, f(x) は単調増加.
1
このとき,f(1)=0 だから, x>1のとき, f(x)>0
すなわち,-2x2>x²-3x+1
0
1
2
-1
注右のグラフの (1,0)のあたりをよく見てください。
x
89で学んだように f'(1) = 0 であっても, x=1の前後で'(x)の符
号に変化はありません ( + → 0 → + です ).
f(x) +
0 +
f(x)>0
このような点があるとき,直線のようにストレートに (1,0) を通過
してはいけません. (1,0) でx軸に接する(傾きが0) ようなフンイキ
にしておかなければなりません。
② ポイント
不等式の証明は,
演習問題 97
関数の最大・最小の考え方にもちこむ
x>0のとき, (x+2) ≧27xとなることを示せ.