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次の不等式が成り立つことを証明せよ。
基本 例題 229 不等式の証明 (微分利用)
0000
p.349 基本事項 3. 基本 219 2
(1) x>2のとき x+16>12x
(2) x>0のときx-16≧32(x-2)
指針 ある区間における関数 f(x) の最小値が mならば,その区間において, f(x)≧m
り立つ。これを利用して, 不等式を証明する。
①
大小比較は差を作る 例えば, f (x)=(左辺) (右辺) とする。..
② ある区間における f(x) の値の変化を調べる。
3 f(x) の最小値を求め, (区間における最小値)>0 (または≧0) から, f(x)
(または≧0) であることを示す。
なお,ある区間で f(x) が単調に増加することを利用する方法もある。
→x>aでf'(x)>0 かつf (a) ≧0 ならば,x>αのときf(x)>0
1 大小比較は差を作る
CHART 不等式の問題
②常に正⇔ (最小値) > 0
(1) f(x)=(x+16) 12x とすると
解答 f'(x)=3x²-12=3(x+2)(x-2)
f'(x) =0 とすると
2
x≧2 における f(x) の増減表は右のよ
うになる。
x
2
f'(x)
+
別解 (1) x>2のとき
f(x)>0
(f(x) 07
x+16>12x
よって, x>2のとき
したがって
(2) f(x)=(x-16)-32(x-2) とすると
指針」
の方
f(x)=(左辺)(右辺)
として,f(x)の値の
化を調べ,f(x)>0を
す。
f'(x)=4x-32=4(x3-8)
=4(x-2)(x2+2x+4)
f'(x)>0
ゆえに,x2のとき
f(x)は単調に増加する。
よって,x2のとき
f(x)>f(2)=0
すなわち f(x)>0
f'(x)=0 とすると
x=2
x0 における f(x) の増減表
x-8=0 の実数解は
x 20
...
は右のようになる。
2
x=2のみ。
f'(x)
0
ゆえに,x>0のとき,f(x)
+
は
f(x)
極小
x=2で最小値0
0
をとる。
よって,x>0のとき
したがって
x-16≧32(x-2)
f(x)≥0
[ f(x) の最小値] 20
▼等号が成り立つのは
x=2のとき。