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117 29 大鏡 (物語)
ポイント
副詞の呼応〈打消〉(不可能)
(語り手→栗田殿)
格 係 剛 ダ下二 未尊敬・用 補八四・未接助
尊(語り手→栗田殿前者
名格名 格 名格助サ四用接助
四
名
格助 ダ下二・未
病気の進行
20
名
殿上よりはえ出でさせたまはで、御湯殿の馬道の戸口に御前を召して、
懸かりて、北の陣より出で
北の陣からお出になったの
殿上の間からは退出なさることができないで、
御湯殿の
馬道の戸口に前の者をお呼びになって、前の者に寄りかかって、
謙(語り手→粟田殿)
(頭)
謙(語り手→尊(語り手→
粟田殿殿の人々)
気分が少しいつもと違う
(語り手→栗田殿)▽
尊敬・用檜ハ四体接助
名
格名 上一用補う四・終
名格助係助
名
格助
接助夕四用補ラ四用補八四・体
させたまふに、『こはいかに。」と人々 見奉る。
殿には、
つねよりもとり経営して待ち奉りたまふ
で、
これはどうしたことか。」と人々は見申し上げる。(栗田殿の)お邸では、
いつもより
ごちそうを用意してお待ち申し上げなさるが、
たいそう苦しくなる
(語り
田殿が
援助
名四 接助
名係助
ク用
ラ四用
名
下二用接助
シク用ウ
リ
ラ上二・未尊敬・用
こ、
降りさせ
だらしなくなり、(襟もとの)御ひもを解き払って、
人に懸かりて、御冠もしどけなくなり、御紐おしのけて、いといみじう苦しげにて
御冠も
(栗田殿が)人に 寄りかかって、
手→栗田殿)
謙(語り手尊(語り手→家族)
上一→栗田殿)八四
(己) 体
四用
人に寄りかかって車から降りる状態
八四存続・
(己) 体格助
尊(語り手→栗田殿)
ダ下二用補八四・用ウ完了・体名 格助
たいそうひどく苦しそうな様子で (お車から) お降りになって
家の者たちは
↓
名
・終
剛
15 たまるを見奉りたまへる御心地、出でたまうつる折に譬へなし。
されど、ただ、 『さりとも。」
横になったまま対面する状態
J
いるのを
見申し上げなさる(ご家族のお気持ちは、(邸を)お出になった時と比べものにならない。
逆接
しかし、家の者たちは)ただ、「いくらなんでも
(まさかとんでもないことにはなるまい)。」
接
名
格助
四係助
四
名
四
助
名
格 八四命(巳)存続・終
時間とともに悪化していく様子が描かれている。
ふたがりながら、心地良顔を作りあへり。
シク用
とささめきにこそささめけ、胸は
と、ひたすらひそひそ話ばかりをするけれど、胸は(不安でいっぱいになりながら、
呼応
係 ヤ下二・未打消・終
おびただしくも聞こえず
楽しそうな顔を互いに装い合っていた。
だから、
されば、世にはいと
世間ではそれほど
(容態について) 大げさにも伝わらなかった。
謙(語り手→栗田殿)
名格
格助 名
尊(語り手→右大臣)
格助四用補四・命(巳)存続用過去・体名
粟田殿は
謙 (語り手
→右大臣)
名名格助サ四用接助
↓ラ
ラ四用
お祝いに
今の小野宮の右大臣殿の御悦びに参りたまへりける折、
今の 小野宮の右大臣殿(実資)が
参上なさっていた折、
する (粟田殿は) 母屋の
母屋の御簾を下ろして、 呼び入れ 奉り
御簾を 下ろして、右大臣を呼び入れ申し上げな
尊(語り手→栗田殿)
噂(語り手→栗田殿)
神八四命(巳)完了・終 サ四・助
田殿は
名変用接助
栗田殿→右大臣)
たまへり。伏しながら御対面ありて、
シク用ウ 補助 名格助
副詞の呼応〈打消〉(不可能)
謙(粟田殿→右大臣)
ダ下二・未
打消・巳
さった。
横になったまま ご対面になって、 (粟田殿は)「病気が、
謙(粟田殿→右大臣) 丁(栗田殿→右大臣) +2
サ四・補ラ変体定終 ★
接助
ク・体
「乱れ心地、いとあやしうはべりて、外にはえまかり出でね
たいそう尋常ではない様子でして、(簾の)外には参上できませんので、
大臣に
(栗田殿→右大臣) 丁(粟田殿→右大臣)
名格力下二用接助係助 名名格名 サ四・体名 助ラ変用
20ば、かくて
このまま(の格好)で申し上げるのです。
→(流れ)
長年、
ちょっとしたことに
申しべるなり。 年ごろ、はかなきことにつけても、心の内に喜び申すことなむはべり
つけても、
副詞の呼応〈打消)(不可能)
栗田殿→右大臣)丁(粟田殿→右大臣)
心の中で(あなたに) お礼を申し上げることがございま
完了
連体
名体 名
格
四
つづれど、させることなきほどは、ことごとにも
→(流れ)
(栗田殿→右大臣)
未 接 上二・用補う四・用完了・体接助
え申し
したけれど、
たいしたことのない(身分である)間は、 一つ一つのことにも(お礼を申し上げることができませんで
はべらでなむ過ぎまかりつるを、今は
名
聞き手敬意の謙譲語。
過ぎて参りましたが、
今は
謙(栗田殿→右大臣)丁(粟田殿→右大臣)
四用 援助 補う変巳 接
カ下二
謙(栗田殿→右大臣)
名格
(省略)はべる)
接
サ変用サ四・終意志・体断定用係助
かくまかりなりてはべれば、公私につけて、報じ申すべきになむ。
名名格関係助
謙(栗田殿→右大臣)
サ下二 未
このように(関白になっておりますから、
私に つけて、
い申し上げるつもりです。
また、
また、大小のことをも申し合はせ
聞き手の謙譲語。
大小のことも
何かとご相談申し上げ
(粟田殿→右大臣)
意志・終格助八四用ウ 補八下二・ 助
名格
呼応〈打消〉(不可能)↓
四・酒・
シク・体
むと思う たまふれば、
無礼をもはばからず、かく
名格助
謙(粟田殿→右大臣)
名サ四用完了体断定終
ようと
思いますので、
無礼をも
はばかることができず、
このように乱れている所に
らうがはしき方に案内申しつるなり。』
ご案内申し上げたのです。
尊(語り手→栗田殿)
四
名
動力四・未打酒・
ナリ
など、こまやかにのたまへど、
ことばも続かず。」
などと、
ねんごろに
おっしゃるけれど、
苦しさで)ことぼも続かない