めや少子化問題が解決しないのも、すべてそうした
くなってしまったからだとはよく言われる話です。
こうした意見が保守的な立場から述べられたものだとすれば、いわゆる改革派の人たちはどうい
うふうに今の日本の現状を考えているのでしょう。
実は、改革の旗を掲げる人たちもまた「日本人らしさ」や「日本的な心」が問題だと考えている
のです。
つまり「今の日本が問題を抱えているのは日本人が過去の伝統にしがみつき、 島国根性から脱
却できずにいるのが元凶なのだ」というわけです。こうした改革派の人たちにとっては、保守派の
人たちが褒めそやす日本人特有の精神構造や日本文化こそが、日本の社会や経済がいっこうによく
ならない最大の原因で、もっと欧米人のようなメンタリティを持ち、 グローバル化しないといけな
いというのです。
まったく立場を異にするはずの保守派、改革派のどちらから見ても、問題の焦点が「日本の文化」
や「日本人らしい心」にあるという点で共通しているわけなのです。
そこで私の考えを述べさせてもらえば、実は何でもこうして「日本人らしさ」に結びつけて考え
る、その思考方法自体が、今の日本の混迷を招いているのではないかと思っているのです。
では、なぜ現代日本が抱えている社会問題を