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に題代文』 15
『新成現代文』15
p.36~38
プリント
『力をつける現代文ステップ
~29
ステップ3
52
トて
19
評論
ルクリ
ける環
り~3
15
10
ステップ3
発展的な力を身につけよう
読解)ポスト産業資本主義の時代のヒトと
SA 3A0Sと
会社はこれから
どうなるのか
岩井克人
課題)時間や時代の変化の記述に目を向け
産業資本主義の時代においては、安いチンギンで労働者をいくらでもヤトえましたから、機械制工場を
もっているだけで利潤を確保することができました。だから、機械や設備といった有形の資産の価値が高
かったのです。しかし、ポスト産業資本主義の時代になると、機械制工場をもっているだけでは利潤を生
み出すことが困難になりました。機械や設備の価値が急速に下がってきたのです。利潤は差異性からしか
生まれません。企業は、新製品の開発や新技術の導入や新市場の開拓によって、意識的に差異性を創り出 5
tさなければ、利潤を生み出していくことができなくなったのです。その結果、そのような差異性そのもの
としてのプランド名や特許権やデータベースの重要性が急速に高まりつつあるのです。そしてさらに、そ
のような差異性を生み出す源泉としての、経営者の企画力や技術者の開発力や従業員のノウハウが果たす
役割が、飛躍的に拡がりつつあるのです。すなわち、具体的なモノの形をとらない知識資産の価値が大き
く上昇しているというわけです。
機械や設備や建物、さらにはコンピュータ機器やソフトウェアといった有形資産は、おカネで買うこと
ができます。また、特許やブランド名やデータベースといった知識資産の場合も、それをおカネで買うこ
とができます。実際、具体的な形をもたないといっても、これらの知識資産はすべて形式化されて、ヒト
から切り離すことができますから、原則的にはモノとして市場で売り買いすることができるはずです。
これに対して、同じ知識資産のなかでも経営者の企画力や技術者の開発力や従業員のノウハウなどは、
おカネで直接買うことはできません。なぜならば、それらはすべて人間の頭脳の内側に蓄積された知識や
能力であるからです。
ヒトとは、自分以外の何人にも支配されない自立した存在です。そして、そのような自立性の究極的な
よりどころは、自由意志の存在です。ヒトをヒトたらしめているこの自由意志があるかぎり、ヒトが頭脳
のなかにこれまで蓄積していた知識や能力をどのように使うか、さらにヒトが自分の頭脳のなかに新たな a
知識や能力をどのように蓄積していくかを、外部から完全にコントロールすることは不可能です。たとえ、
そのような知識や能力をタイゲンしているヒトをドレイにしたとしても、不可能なのです。
それゆえ、おカネができる唯一のことは、ヒトに知識や能力を自主的に発揮してもらうため、さらにはヒ
トに知識や能力を自主的に蓄積してもらうため、さまざまなインセンティブ(動機)を提供することだけです。
(注ー)
(注2)
(地の)
ひろ
Cm
成績に応じたボーナスを与えたり、昇進制度や退職制度を工夫,
どのような知的作業に適した環境を
一ガイ: