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大学入学共通テスト対策問題
感謝 97 呼吸に関する次の文章を読み, 以下の問いに答えよ。
クエン酸回路は,物質が変換される反応が次々に起こって循環する反応系である。
クレブスは、ハトの胸筋細胞を破砕して緩衝液を加えた懸濁液を材料として,この反
応系が回路状であることを確認する実験を行った。 この反応系には3つの物質,物質
A, 物質 B, 物質Cが含まれており,ピルビン酸が変換されて生じたアセチルCoA
がこの反応系に入り,物質 A, 物質 B, 物質 Cの順に生成される。 クレブスが行っ
また実験では,物質Bを基質とする脱水素酵素のはたらきを阻害するマロン酸を用い
ている。なお,マロン酸はこの反応系には含まれない化合物である。
(1) 実験に用いたマロン酸は,物質 B に構造がよく似ており,競争的阻害によってこ
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の脱水素酵素のはたらきを抑制する。これについて,適切な記述を2つ選べ。
① マロン酸は、酵素の活性部位に結合する。
② マロン酸は、酵素の活性部位とは異なる部位に結合する。
③ 酵素量が一定のとき,物質Bの濃度がマロン酸の濃度より高くなっても、マ
ロン酸による阻害効果は変わらない。
④ 酵素量が一定のとき,物質Bの濃度がマロン酸の濃度より高くなるほど、マ
ロン酸による阻害効果は小さくなっていく。
酵素量が一定のとき,物質Bの濃度がマロン酸の濃度より高くなるほど、マ
ロン酸による阻害効果は大きくなっていく。
(2)反応系が回路状であることを示すためにクレブスが行ったと考えられる実験とし
て,最も適切な記述を1つ選べ。なお,ハトの胸筋細胞の懸濁液には十分量のピ
ルビン酸が含まれていて,この実験は十分量のO2の存在下で行い,懸濁液には
十分な阻害効果を示す濃度のマロン酸が添加されている。
① 物質Aを添加して反応させ,物質Bの産生量を測定した。
②物質Aを添加して反応させ, 物質 C の産生量を測定した。
③ 物質 B を添加して反応させ, 物質 A の産生量を測定した。
④ 物質 B を添加して反応させ,物質 Cの産生量を測定した。
⑤ 物質Cを添加して反応させ, 物質 Aの産生量を測定した。
⑥物質Cを添加して反応させ, 物質Bの産生量を測定した。
(3)(2)の実験をO2 が存在しない条件で行うと, (2)で測定した物質の産生量はどのよ
うになると考えられるか。 最も適切なものを1つ選べ。
① ほとんど変わらない ② 減少する ③ 増加する
(4) (3)のようになる理由について,最も適切なものを1つ選べ。
① 回路の反応には, O2 が必要ないため
③ ATP をほとんど産生できなくなるため
④ NADH をほとんど產生できなくなるため
② CO2が蓄積するため
〔21 北里大