重要例題 8-2 生態系における物質収支
ある高校の園芸部では、珍しい園芸植物Xの種子を入手し、学校の花壇で栽培することにした。
2015年6月1日に花壇に植物Xの種子をまくとき、近くに植物Yと植物Zの種子もまいた。これら
3種の成長の速さにずいぶん差があるように思われたので、 2015年7月1日にそれぞれ数個体について,
根を含む植物体全体の乾燥重量を測定してみた。 このとき、乾燥前に植物体をよく観察して、昆虫など
による食害と脱落器官の有無も記録した。 また、残してあった種子についても、種皮をはがして乾燥さ
せ, 重さを測定した。 これらの結果をまとめたところ、次の表のようになった。
植物種 種子の乾燥重量(mg/個) 植物体の乾燥重量 (mg/個体)
食書
脱落器官
なし
X
3
398
子 葉
Y
15
1410
ts
し
180
560
問表の結果から, 6月1日 (和子の段階)から7月1日までの期間における純生産量および総生産量を、
植物 X,Y,Zの間で比べると、 どの種が最も大きいと判断できるか。 純生産量と総生産量について
最も適当なものを,次の ①~④のうちからそれぞれ一つずつ選べ。 ただし, 同じものを繰り返し
選んでもよい。
① 植物 X ②植物 Y ③ 植物 Z
Z
M
考え方 生産者である植物について,
純生産量=成長量(G) + 枯死量(D) +被食量 (P)
という関係が成立する。 植物 XとZは食害と脱落器
官がないので、純生産量 = G となる。よって,
植物 X の純生産量=398-3=395(mg/個体)
植物Zの純生産量=560 180=380(mg/個体)
となる。
植物Yは食害と脱落器官があるので
虫食いの痕跡あり
なし
④ この情報からだけでは判断できない。
[18 共通テスト試行調査)
純生産量> G=410-15 395(mg/個体) となる。
よって, 純生産量については植物Yが最も大きいこ
とがわかる。県開
総生産量については, 総生産量 = 純生産量 + 呼吸量
という関係が成立している。 本問では呼吸量が与えら
れていないので,どの植物についても総生産量が推定
できない。 よって, 大小も判断をすることができない。
解答 純生産量 ② 総生産量 ④