接合枝(精子の核と卵の核とが融合したもの)は卵の前方に位置する。これが8~10
探究論述
Lo62 ショウジョウバエの発生(3) 図1に示すように、ショウジョウバエの卵では,
分という短い周期で分裂し、その数を増加させる。このとき,細胞質の分裂が起きな
いので、卵は多核体となる。数を増やした核はしだいに卵の後方にも広がり,やかて
卵の後極(図1では卵の下の方)
にも位置するようになる。この
後,それまで卵内に広く分布し
ていた核の多くが、, 卵の表層へ
移動する。すると,やがて極細
胞と呼ばれる球形の細胞が卵の
後極に形成される。一方, 他の
部域の表層に位置するように
なった核は、さらに分裂を繰り
返す。約 13回の分裂が起こっ
た後,核と核の間に細胞膜が形
図1 10分
27分
50分
65分
80分
130分
200分
320分
16年
胞
各図の左肩の数字は産卵後の時間を表す。
は、「
は特有の秘をいた
3つのに
彼合体、
ウ)に子が
り(イ)の
180
成される。
図2
(核は省略)
卵の後極に形成された極細胞
は,その後,卵や精子に分化す
る。したがって, 極細胞が形成
されなかった卵から発生した個
体は不妊となる。ショウジョウ
バエでは “孫のできない突然変
異”の遺伝子に関してホモ接合
体の雌が産卵した卵では, 分裂
した核の後極への移動が遅れる
ことと,極細胞が形成されないことが知られている。 れあす
(実験1] 野生型の産卵後間もない卵の後極に紫外線を照射したところ, 極細胞は形
紫外線
紫外線
極細胞
別の卵の後極の細胞質または抽出したMRNA
の場合
するか
成されなかった(図2,上段)。
(実験2] 野生型の産卵後間もない卵の後極から細胞抱質を抜き取り, 紫外線を照射さ
れた野生型の卵の後極に移植すると(図2,下段), 極細胞が形成された。
実験3) 産卵後10分, 50分, 120分の野生型卵から mRNA を抽出し, 紫外線を
照射された野生型の卵の後極に注入した(図2,下段)。10分, 50分後の
ものでは極細胞が形成されたが, 120分のものでは効果がなかった。
実験4) “孫のできない突然変異” の遺伝子をホモでもつ雌が産明卵した卵の後極の
細胞質も,極細胞形成回復の効果をもつことがわかった(図2,下段)。
(1) 実験1~3の結果から, 極細胞の形成に関してどのようなことが推論できるか。
80字以内で述べよ。
(2) “孫のできない突然変異”の遺伝子に関してホモ接合体の雌が産卵した卵では、
極細胞が形成されない。 実験4の結果も考慮して,その理由を80字以内で述べ上
こおけるナノエが
~10とれ
まこK!
(愛媛大)
16章 動物の発生のしくみ | 285
接合核
WNA