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第4編 電気と磁気
抗に電流が流れていないときには電圧降
下はOVであり,抵抗の両端は等電位で
②電圧降下 抵抗 R[Ω] の導体に電流
I[A] が流れると, オームの法則により,
抵抗の両端の間で RI[V]だけ電位が下が
る。これを電圧降下という(図42)。抵
voltage drop
電位
受けているとすると,この抵抗力と電場から受ける力のつりあいより
電圧
e
V = kv
降下
(34)
低 RI[V]
eV
この式よりv=
kl
となるので,これを (33) 式に代入すると
抵抗 R [Ω]
位置
eV
I = en X
xS=
kl
e²nS
V
kl
(35)
電流 [A]
I=enus 休
と表される(図43)。
(33)
復習
問21 断面積 1.0×10 m² の導線に 1.7A の電
流が流れているとき, 自由電子の平均
移動速度v [m/s] を求めよ。 導線1.0m²
当たりの自由電子の数を 8.5×1028/m3,
電子の電気量を-1.6 × 10-19 C とする。
② オームの法則の意味 図44のように,
長さ[m], 断面積 S[m²] の導体の両端
に電圧 V[V] を加えると, 導体内部に E
= ¥ [V/m] の電場が生じる。導体中の
自由電子はこの電場から大きさe ¥ [N]
の力を受けて、陽イオンと衝突しながら
進むが,自由電子全体を平均すると一定
の速さ [m/s]で進むようになる。 この
とき,自由電子は陽イオンから速さ”に
比例した抵抗力ku [N] (k は比例定数) を
258 第4編 第2章 電流
自由電子全体を平均したもの
速さ
電場E=
陽イオン
静電気力 e
抵抗力
P222
陽イオン
S〔m²]
ある。
C オームの法則の意味
電子の運動と電流 断面積 S[m²]の導
体中を自由電子(電気量-e [C]) が移動す
る速さを v[m/s], 単位体積当たりの自
由電子の数を n [1/m] とすると, 電流
の大きさI[A] は
図43 電子の運動と電流図の
断面 A を t[s] 間に通過する自由電
子は,断面Aの後方 長さ of [m]
の円柱部分に存在していたと考え
られる。
●の円柱内の自由電子の
数は 何個分
体積
N=nx (ut XS)= nutS
であり,合計の電気量の大きさは
Q=exN=envtS
である。 これと (31) 式 (p.256) より
envtS
t
図 42 電圧降下
これは,オームの法則を表している。 ここで
kl
R=
(36)
Op.257 オームの法則
e²nS
V
1=
(32)
R
百由電子
とおくと I = が得られる。
V
断面積 S
R
vt
D抵抗率
k
ロー
①抵抗率 (36) 式において,
e²n
をp とおくと,抵抗R [Ω] は次のよう
10
に表すことができる。
映像
Link Web サイト
抵抗率
R=p
(37)
抵抗 2R
S
長さ2倍にすると
R[Ω]
抵抗 (resistance)
[m] 抵抗率
I=-
t
= envS
15
〔m〕
抵抗の長さ (length)
S〔m²]
抵抗の断面積
抵抗 R
S
断面積2倍にすると
-1〔m〕
V[V]
図44 オームの法則の意味
比例定数は,注目する物質の材
質や温度によって決まる。これを抵
2S-
抗率(または電気抵抗率, 比抵抗) といい,
resistivity
単位はオームメートル(記号 Ω·m) で
ある。
抵抗 1/2
①図 45 長さ 断面積の異なる抵抗
問22 断面積が2.0×10-7m² 抵抗率が1.1×10Ω・mのニクロム線を用いて, 1.0Ω
の抵抗をつくりたい。 ニクロム線の長さを何mにすればよいか。
[Link
259
復習