400℃,
石油化学工業では、ナフサの分解で得られたアルケンが、様々な化合物の原料
35気圧で,一部がエチレンと2-ブテンとなり,式(1) で表される平衡状態になる。
として重要である。そのうちの一つであるアルケンAは, 触媒の存在下
第3問 次の文章(A・B)を読み、 問い (問1~6)に答えよ。
[解答番号 17 (配点20)
A
この可逆反応は, 化学工業の原料として, これらのアルケンの生産量を調整する
ために用いられている。
A
CH2=CH2 + CH3-CH=CH-CH3
8 12
エチレンは化学工業の原料として重要である。 エチレンを塩化パラジウム(II)
PdCl2と塩化銅(II) CuCl2 を触媒として空気酸化することで, 化合物Bが得られ
る。この方法は、エチレンのワッカー酸化とよばれる。
2 B
パイナップルに似た果実臭のする液体で, 溶剤としてよく利用される化合物 C
は,工業的には,B二分子から触媒を用いて合成される。
C
Cは, 実験室的には,Bを還元して得られるアルコールと,Bを酸化して得ら
れるカルボン酸の混合物に,濃硫酸を加えて加熱することで合成される。
2-ブテンからは,合成ゴムの原料として重要なブタジエンがつくられる。また
2-ブテンのワッカー酸化で得られる化合物Dは,溶剤や樹脂の硬化剤として用
H₂02
られている。Dは,2-ブテンに触媒を用いて水を付加させて得られる化合物
酸化することによっても合成される。
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