令和二年度学生
一、 次の文章を読んで、後の設問に答えなさい。
日本では、「カキが赤くなると、お医者さんが青くなる」といわれます。一方、三
ーロッパには、「トマトが赤くなると、お医者さんが青くなる」という言い伝えがあ
ります。「なぜ、このような言い伝えがあるのか」との“ふしぎ"が浮かびます。
お医者さんが青くなるのは、患者さんの数が減るからです。 トマトの果実が赤く
なると、健康が促されるからでしょう。 「なぜ、トマトが赤くなれば健康が促される
のか」というのが、「ふしぎなのです。昔からヨーロッパでは、「トマトのある家に
は、胃病なし」といわれるのも、トマトの果実が健康をもたらすことを意味します。
トマトは、フランスやイギリスでは「愛のリンゴ」、イタリアでは「黄金のリンゴ」、
ドイツでは、「天国のリンゴ」という呼び名があります。果実にリンゴの味がするわ
けではありません。ヨーロッパには、値打ちが高い野菜や果実を「リンゴ」 とよぶ習
慣があるのです。「値打ちが高い」といっても、「Aが高い」という意味ではあり
ません。
(a)、ジャガイモは「大地のリンゴ」とよばれることがあります。ジャガ
イモには、デンプンが多く含まれています。 デンプンは、おコメに多く含まれる成分)
です。そのため、食べると栄養にもなり、空腹を満たしてくれます。
少し意外なのですが、 ジャガイモには、ビタミンCが一〇〇グラム
当たり三五ミリグラム含まれています。この量は、リンゴよりも多く、ミカンとほぼ
同じです。このように、ジャガイモは、大地の中につくられ、値段は高くないのです
が、食べ物としての値打ちが高いので、「大地のリンゴ」なのです。
トマトが「リンゴ」とよばれたのは、 Bを守るはたらきが高く評価されていた
からです。トマトを食べれば、健康が ⑥ イジ増進できることは古くから知られていた
のでしょう。トマトの果実には、二つの健康に良い赤い色素が多く含まれています。
一つは、英語で「カロテン」、ドイツ語で「カロチン」とよばれる色素です。もう
一つが、英語で「リコペン」、ドイツ語で「リコピン」とよばれる色素です。トマト
の果実が赤くなるのは、これらの物質が多く含まれているからです。トマトがこれら
物質を多く含んでいる理由は明白です。これらの物質を多く含むことは、トマト
の紫外線対策なのです。
紫外線が有害であることはよく知られています。私たち人間の場合には、紫外線は、
日焼けをおこし、肌を老化させ、シミやシワの原因になります。ひどい場合には、白
内障、皮膚ガンの原因にもなります。もちろん、紫外線は植物にも有害です。
紫外線が有害なのは、からだに当たると「活性酸素」という物質を発生させるため
です。活性酸素は、雑誌やテレビなどで「
」などの見出し
で取り上げられる、きわめて有害な物質です。 これらの見出しは、少しオーバーかも