96 第2章 関数と関数のグラフ
練習問題 15
すべての実数に対して
x²+ax+a+3>0
が成り立つような実数aの値の範囲を求めよ.
精講
初めて見ると,ちょっとビックリしてしまう問題ですね。
不等式を「解け」」といわれているわけではありません。
が、「どんなについても成り立つ」ようなαの条件を求めよ、といわれてい
「ク
るのです。式だけを見ていても、何も手がかりがつかめませんが,これを
ラフ」の話にいいかえてみると,何をすればいいのかがわかってきます。
解答
すべての実数xに対して
x2+ax+a+3>0
が成り立つのは,y=x²+ax+a+3 の
グラフが常にx軸の上側にあるときであ
る. そのためには
(頂点のy座標)>0
が成り立てばよい. 平方完成すると,
\2
y = (x + ²)² = 2² + a
4
なので, 求める条件は
-2² +0
4
-+a+3>0
+a+3
a²-4a-12<0
この2次不等式を解くと
-2<a<6
ly=f(x)のグラフが
常にx軸の上側にある
すべての実数xでf(xc)>0が成り立つ
この2次
この不等
DC
と考えることもできます. このことを使えば
(頂点のy座標) > 0
頂点が
x軸の上側に
あればよい
定数
す
(a+2)(a-6) <0
コメント
グラフが常にz軸の上側にあるとき, 方程式x2+ax+a+3=0 は実数解を
もたないわけですから、同じ条件は判別式をDとして
D<0
中に
との扱ま
とし
D=d²-4(a+3)=α²-4a-12<0
となり、少し計算の手間は減ります. 前ページで説明したように、 「頂点のy
扱
「座標」に注目したときと 「判別式」 に注目したときとでは, 不等号の向きが反
対になりますので, 混同しないように注意しましょう.