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【2】 つぎの会話文A・Bと図Cを参考に、以下の問いに答えなさい
A ヨーロッパの主権国家体制の成立についての授業
生徒A: 「キーワードは主権国家」って先生がいっていたけれど、どんな意味なんだろう?
公共や政治経済の授業でも出てきそうな言葉だけれど、 私たちが生きている現代では意
味合いが違うのかな?
生徒B 主権が誰にあるのかに関して、 そもそも現在と過去では意味が違うんだよね。 日本
の ( 1 ) には 「主権は国民にある」ことが明記されていて、私たちが選んだ代表者が政
対的な権力をもっていたのが君主だったし、 今は当たり前になっている国民にもとづいた国
治をおこなっているよね。 主権国家という言葉が生まれる16世紀頃のヨーロッパでは、絶
民主権という考えがまだなかった時代でしょ。
生徒A: そういえば、 当時のヨーロッパ諸国の政治体制を表現した、 ( 2 ) といった言
葉があったね。 イギリスのエリザベス1世やフランスのルイ14世なんかの治世が、その代表
例としてあげられる。
生徒B: (2)、聞いたことあるけど、 なぜ、国王に権力が集まっていったの?
生徒A:簡単に説明すると、ヨーロッパでは、それまで宗教の世界ではローマ教皇、政治の
世界では( 3 )が広く支配をおよぼす単一の権威や権力をもっていたんだ。それが16
世紀の宗教改革や17世紀の長期のたびかさなる戦争によって、二大権力が低下していった
からなんだ。
生徒C : そこで、各国の君主が、 自分が支配する領域のなかで ( 4 )の力をおさえつ
つ、対外的にほかの国々とは対等な立場に立った外交関係をもつようになっていった。ちな
みに、当時の東アジアでの中国の君主と周辺諸国の関係は、ヨーロッパと違って主権国家と
はいわないことも、 比較する意味で大事だよね。
生徒A:国王の権力集中に対して、 イギリスでは17世紀ごろから、地主を中心とする議会
が(1)で王権を制限しようとする動きがおきたんだ。 この資料知ってる?
資料
議会の上下両院は...... イギリス人の古来の権利と自由をまもり明らかにするために、次のよ
うに宣言する。
1. 王の権限によって、 議会の同意なく、 法を停止できると主張する権力は、違法である。
4. 国王大権 ⑩ と称して、議会の承認なく、 王の使用のために税金を課することは、違法
である。
6. 議会の同意なく、 平時に常備軍を徴募し維持することは、違法である。
8. 議員の選挙は自由でなければならない。
9. 議会での言論の自由、 および討論議事手続きについて、議会外のいかなる場でも弾劾
されたり問題とされたりしてはならない。
13. あらゆる苦情の原因を正し、 法を修正・強化・保持するために、 議会は頻繁に開かれ
なければならない。
君主がもつとされた特別の権限