質量Mの太陽のまわりを回っている質量mの小惑星がある。 図のように,この
小惑星および地球の公転軌道は円とみなすことができ, その公転半径はRP, RE
である。 ケプラーの3法則および万有引力の法則を用いてつぎの問いに答えよ。
ただし、太陽の万有引力のみを考慮し、他の惑星の影響は無視してよい。 万有
引力定数をGとする。
ケプラーの3法則はつぎのとおりである。
第1法則: 惑星は太陽を焦点とする楕円軌道を描く。
第2法則: 惑星と太陽とを結ぶ線分が単位時間に掃引する面積(面積速度)
は惑星の軌道上あらゆる点で一定である。
第3法則: 惑星が太陽のまわりを回る周期の2乗は, 楕円軌道の長半径の3
乗に比例する。 その比例定数は惑星によらず
一定である。
(a) 小惑星の速さ VoをG, M, Rp で表せ。
〔A〕 図のように質量m', 速さVの小物体が
小惑星の軌道の接線方向から飛んで来
て、点Pで小惑星に正面衝突して一体
となった。 小惑星の公転の向きは変わら
なかったが, 小惑星の公転軌道は楕円となった。 近日点における太陽との
間の距離は地球公転軌道半径RE に等しく, 遠日点における太陽との間の
距離はもとの公転軌道半径RPに等しかった。 つぎの問いに答えよ。
(b) 衝突直後の小惑星の速さ, um, m', Vo, V を用いて表せ。
(c) 衝突後,太陽からの距離にあり、速さVで楕円運動している小惑星の力
学的エネルギーEをm, m',r, V, G, M を用いて表せ。 ただし, 位置エネルギー
は無限遠方をゼロとする。
m'V'
小物体
Rr
P(遠日点)
地球
RE
太陽
近日点
Vo
m
小惑星
(d) 小惑星の近日点における速さと遠点における速さとの比um/mを求めよ。
(e) uG, M, RE, Rp を用いて表せ。
〔B〕 RP が RE の3倍であるとき, つぎの問いに答えよ。 ただし、1年は3.14×10秒
地球の公転軌道半径は1.50×10km とし, 有効数字2桁で答えを求めよ。
(f) 遠点における小惑星の速さは,衝突前の小惑星の公転速度Vの何倍
であるか。 また, は秒速何km か
(g) 衝突後,小惑星が最初に近日点にやってくるのは何年後か。 〔東京工大〕