発展例題11
剛体のつりあい
粗い床上に、重さW, 高さa, 幅bの直方体が置かれている。
図の点A,Bは, 直方体の側面に平行で重心を通る断面の点を表
す。 点Aに糸をとりつけ, 水平右向きに大きさTの張力で引いた。
はじめ直方体は静止していたが, Tを徐々に大きくすると,やが
て点Bを回転軸として倒れた。 次の各問に答えよ。
a
直方体が静止しているとき, 直方体が床から受ける垂直抗力の作用点は, 点Bから
左向きにいくらの距離にあるか。
直方体が回転し始めるのは, Tがいくらをこえたときか。
.861
(3) 床と直方体の間の静止摩擦係数μは,いくらより大きくなければならないか。
指針 垂直抗力の作用点は, T=0のとき
に重力の作用線上にある。 Tを大きくすると、作
用点は徐々に右側にずれていき、やがて底面から
外れたとき, 直方体は点Bを回転軸として倒れる。
解説
b A
(1) 垂直抗力をN, 点
Bからその作用点まで
の距離をx, 静止摩擦
力をFとすると,直方
体にはたらく力は図の
ようになる。 鉛直方向
の力のつりあいから,
N=W ... ①
点Bのまわりの力のモーメントのつりあいか
V120-Ta-Nx=0.…. ②
5. w/1/2-
ら、 W-
W
NA
F
x!
T
B
b
2
式 ① を ② に代入して,
Com
発展問題 137
b A
倒れるので, 0=
b-Ta
2
W
(2) Tを大きくすると, 垂直抗力の作用点は右
側にずれる。 (1)のxが0になるときの張力を
T とすると, 張力がこれよりも大きくなると
ahol b
2a
x=
2 W
a
B
T
から,
直方体がすべらないためには,
T₁= W
(3) 直方体にはたらく水平方向の力のつりあい
MU
F=T ... ③
F≤μN
これに式 ①, ③ を代入して, T≤μW
これから TがμWをこえると直方体はすべ
り始める。 直方体はすべる前に倒れるので、
tibl
b
T<μW
2a
2a
-W<μW μ>.