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53 基 断熱容器内に質量250gの薄い銅
製容器を入れた水熱量計を用いて以下の
実験を行った。
銅製容器
実験1: 温度 10℃ の銅製容器内に,10
℃の水を100g入れ, スイッチを閉じ 2500円
て消費電力 10.0 W で抵抗線を加熱し,
かきまぜ棒で水をかきまぜながら水温
を測定した。 加熱時間と水温の関係を
図2に示す。
実験2:10℃の銅製容器内に, 10℃の
水を200g入れ,スイッチを閉じて消
費電力 9.0 W で抵抗線を加熱し,実
験1と同様の測定をした(図2)。
実験3:10℃の銅製容器内に10℃の
水を200g入れた後, 80℃に熱した
100gの金属球を水中に沈めた。 かき
まぜ棒を使用し、充分時間がたったと
きの水温は 17℃ であった。
温度 [℃]
スイッチ
22p
20
18
14
12
10
8t
0
電源
抵抗線
かきまぜ棒
温度計
導線
水
図 1
実験 1
断熱容器
実験 2
100 200 300 400 500
時間 〔秒〕
図2
以下の問いに有効数字2桁で答えよ。 ただし, 断熱容器によって外部
との熱の出入りはなく, 抵抗線で消費された電力は, 水と容器の温度上
昇に全て使われたものとする。
(1) 銅製容器と水の合計の熱容量を,実験1 2 についてそれぞれ
めよ。
(2) 実験1,2の結果から水と銅の比熱をそれぞれ求めよ。
(3) 実験1~3の結果から実験3で使用した金属球の比熱を求めよ。
(4) 水熱量計の断熱容器をはずして, 実験3と同様の実験を行った。
のとき室温は25℃ で,他の実験条件は実験3と同じであった。 こ
実験の結果の水温は17℃より高いか, 低いか。 また,外部との熱
出入りがないと仮定して得られる金属球の比熱は, 実験3の値より
きいか,小さいか。