例題16 重ねた物体の運動
右図のように、 水平な床の上に質量 3.0kg
の板Bを置き, その上に質量2.0kgの物
体Aをのせる。 床とBとの間には摩擦は
なく, AとBとの間の動摩擦係数を0.50
とする。 B に水平方向右向きにF[N]の力を加え, Fの値を0から徐々に大きくし
ていった。
(1) F の値が 29.4 N を超えたとき, AがBの上をすべり始めた。 AとBとの間の
静止摩擦係数μ はいくらか。
(2) F=39.2〔N〕のとき, AとBの加速度の大きさはそれぞれいくらか。
●センサー20
摩擦力は、接触面の相対的
な動きを妨げる向きにはた
らく。
最大摩擦力, 動摩擦力の大
きさは、物体にはたらく垂直抗
力の大きさに比例する。垂直抗
力の大きさは、その方向の力の
つり合いから求める。
B
61 71 72
A
解答 床から見ると, Aは右向きに動き出すからAにはたら
く水平方向の力は右向きである。 Aにはたらく水平方向の力
は摩擦力のみである。 よって, Aにはたらく摩擦力は右向き
となる。 Aにはたらく摩擦力の大きさをfとすると, 板Bには,
その反作用の力がはたらくから,BがAから受ける摩擦力は
大きさがfで左向きとなる。 また, AがBの上をすべる場合,
Bから見るとAは左向きに動くから, Aにはたらく摩擦力は
右向きである。
AとBとの間ではたらく垂直抗力の大きさをN[N], Bが床か
ら受ける垂直抗力の大きさをR〔N〕 とする。