【演習問題 】
4-2 炭酸の電離平衡
次の文章を読み, 各問に答えよ。 必要があれば次の値を用いよ。 なお, 問 1, 問3は小数
第1位まで, 問2は有効数字2桁で答えよ.
√2=1.41,√3=1.73,√5= 2.24
log10 2 0.30, logio 30.48, log107 = 0.85
二酸化炭素(CO2) は水に容易に溶解し, その一部が水と可逆的に反応して炭酸(H2CO3) と
なる。この反応の平衡定数K を次のように定義する。
[H2CO3]
[CO2]
ただし, [CO2] は水に溶解している二酸化炭素分子のモル濃度 [mol/L] であり、接してい
る二酸化炭素の圧力に比例する。 炭酸はその一部が電離して水素イオンと炭酸水素イオン
炭酸水素イオンはさらにその一部が電離して炭酸イオンとなる。
1
となる。
25℃において, 1.0 atm の二酸化炭素と平衡にある水1.0Lには 3.0×10molの二酸化
炭素分子が溶解している。 平衡定数K。 は 3.0×10-3, 下線部①の反応の平衡定数KI は 2.0
×10mol/L, 下線部 ② の反応の平衡定数K2 は 5.0×10- -11 mol/Lであるものとし、水のイ
オン積をKw=1.0×10-14 (mol/L)2 とする。
Ko=
生体は血液のpH を中性付近に保つために二酸化炭素を利用している。肺における二酸化
炭素の分圧は約 5.0×10 atm である。
X
問1 25℃において、 水を 1.0 atm の大気中に長時間放置したとき、 pHはいくらになるか。
ただし, 大気中には体積パーセントで 4.0×10% の二酸化炭素が含まれ, 二酸化炭素
以外の酸性物質は含まれないものとする。
問 225℃において, うすい水酸化ナトリウム水溶液を分圧 5.0×10 atm に保たれた二
酸化炭素と十分な時間接触させたところ pH7.0 になった。 このpH7.0 の溶液の炭酸
水素イオンおよび炭酸イオンのモル濃度をそれぞれ求めよ。
問3 健康な人の血液のpHは中性付近に保たれているが, 一時的に酸性化することがある。
問2のpH7.0 の溶液に塩酸を加えて [Cl-] が最終濃度 2.0×10 - mol/L になるように
加えた。塩酸を加えたことによる体積の増加は無視できるとする。その後再び, 25℃
において、分圧 5.0×10-2 atm に保たれた二酸化炭素と十分な時間接触させた。この溶
液のpHを求めよ。