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<文B>
免疫系は,病原体をはじめとする無限に近い数の (ア)に反応しなければならない。 (ア)が体内に侵入す
ると,それに特異的に反応する(イ)というタンパク質がB細胞から生産される。 (イ)はL鎖とH鎖2本ず
つからなる4本のポリペプチドより構成されている。 (イ)の可変部を構成しているポリペプチドのアミノ酸
配列は、(ア)ごとに異なっており、 その立体構造の違いに 図1
より, 特異性が生じることになる。
(L鎖)
未分化なB細胞のDNA
V領域 (100個) J領域(5個) 定常部
B細胞は、(ウ)において(エ)から分化していくが、 その際
(イ)の可変部の遺伝情報が再構成される(図1)。 すなわ
ち, L鎖の可変部はV,Jの2つの領域からできているが,
未分化なB 細胞には, V,J の領域に対応する遺伝子分節
(遺伝子の断片)がそれぞれ複数存在している。 分化が進む
と各々の細胞中で, V, J からそれぞれランダムに1つずつ
遺伝子分節が選ばれて連結し, 新たな1つの遺伝子とな
ある。同様にH鎖の可変部は,V,D,Jの3つの領域からでV領域 (100個) D領域 (30個) J領域(6個) 定常部
きており、各領域に対応する遺伝子分節が複数存在する
が,B細胞への分化の過程で,V,D,Jの領域からそれぞれ
1つずつ遺伝子分節が選ばれて連結し、新たな1つの遺伝
子となる。こうして無限ともいえる非自己分子に対応する
免疫作用が成立しているのである。
問4 文中の空欄 (ア)~ (エ) に当てはまる語句を答えよ。
x
500
1つずつ選択
36000
VJ
可変部
定常部
31
未分化な B細胞のDNA
3000
1800万
(H鎖)
15000
VDJ
1つずつ選択
定常部
750000
可変部
18000
5.
9 000 000
◎問5 L鎖ではV遺伝子分節を100個, J遺伝子分節を5個, H鎖ではV遺伝子分節を100個, D遺
伝子分節を30個, J遺伝子分節を6個と仮定する。文中に述べられている (イ)の多様性が生じるしく
みに基づけば、計算上何種類の(イ)が作られることになるか。
抗原
免疫グロブリン
◎問6 ある(ア) (これを X とする) に特異的に結合する (イ) (これをY とする) を考える。 X の分子量を測
定してみたところ50,000であった。一方、YのH鎖の分子量は50,000, L鎖の分子量は 25,000
であった。 1.5mg のYに結合する Xの最大量は何mg か。
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