次の文章を読み,以下の問いに答えなさい。ただし,原子量はH=1.0,C=12.0,O=16.0 とする。
炭素と水素からなる化合物 A, B, Cは互いに構造異性体の関係にある。 ①化合物 A,B,Cそれぞれ
について, 5.0 × 10-mol を完全に燃焼させたところ、発生した水の質量は 36.0 mg,二酸化炭素の質
量は88.0mgであった。 化合物AおよびBに水を付加させると,化合物Dが共通して得られた。 化合
物Cに水を付加させると化合物Eが得られた。 また,化合物Eは酸化剤と反応しなかった。 化合物 A,
B,C を (注) オゾン分解すると,化合物Aからは化合物F 化合物Bからは化合物 G と H. 化合物 Cか
らは化合物GとIが得られた。 化合物Fは、工業的には触媒を用いたエチレンの酸化により製造され
る。一方,化合物Iは,酢酸カルシウムを乾留することによって得られる。
(注) オゾン分解とはアルケンをオゾンと反応させた後, 亜鉛で還元することにより, 二重結合が開
裂してカルボニル化合物が生成する反応である。
R、
CR"
C=C
03
R.
_c = 0 +
O=CR'
R"
R
R
Zn
R
R'
R, R' R", R''' は, 水素原子あるいはアルキル基
問1 下線部① に関して 化合物 A, B, C の分子式を求めなさい。
問2 化合物 A 〜I の構造式をかきなさい。 ただし, 立体異性体は考慮しなくてよい。
問3 化合物 A~I のうち, ヨードホルム反応と銀鏡反応の両方に陽性を示すすべての化合物を記号で
答えなさい。
問4 下線部②に関して、 化合物Fは下記の三つの反応を組み合わせて合成されている。 各化学反応式
について, ao にあてはまる適切な係数を答えなさい。 係数が1の場合には1とかきなさい。 ま
た,化合物 F を生成するこれら三つの反応を一つの化学反応式にまとめてかきなさい。
aH2C=CH2 + 6H2O + cPdCl2→dF +e HCl + fPd
実
ドホルム
gPd + hCuCl2
→ iPdCl2 + jCuCl
k CuCl + IHCI
+
mO2
→ nCuCl2 + 0H2O
(千葉大)