生物
B ヒトの神経系は多数のニューロンからなり, ニューロンとニューロンの間や
ニューロンと効果器の間はシナプスで接続されている。運動神経は骨格筋とシナ
プスで接続しており, このシナプスは神経筋接合部とよばれる。運動神経は神経
伝達物質としてアセチルコリンを放出する。運動神経から放出されたアセチルコ
リンは骨格筋の細胞膜に存在するアセチルコリン受容体に結合し, これによって
骨格筋は収縮する。 このとき, アセチルコリン受容体に結合するアセチルコリン
の量が多くなるほど, 骨格筋はより大きく収縮する。
神経筋接合部での興奮の伝達と興奮の発生に影響を与える物質がいくつか知ら D
れている。このような物質には, シナプス後細胞のアセチルコリン受容体に可逆
的に結合することでアセチルコリン受容体へのアセチルコリンの結合を競争的に
阻害する物質P, シナズス前細胞の軸索末端からのアセチルコリンの放出を阻害
する物質Q, シナプス間隙に存在するアセチルコリンを分解する酵素の作用を阻
書する物質R, シナプス前細胞· シナプス後細胞に存在する電位依存性ナトリウ
ムチャネルのはたらきを阻害する物質Sなどがある。
問5 神経筋接合部に物質P, 物質Q, 物質Rを与えて運動神経を関値以上の刺激
で刺激したときにみられる骨格筋の収縮に関する記述として誤っ るものを,
次の0~9のうちから一つ選べ。ただし, 物質P, 物質Q, 物質Rは,直接的
に作用し合うことで, 互いに影響を与えることはないものとする。
6
の神経筋接合部に物質Pを与えて運動神経を刺激すると, 物質Pを与えずに
運動神経を刺激したときよりも骨格筋の収縮が小さくなる。
神経筋接合部に物質Qを与えて運動神経を刺激すると, 物質Qを与えずに
運動神経を刺激したときよりも骨格筋の収縮が小さくなる。
神経筋接合部に物質Pと物質Rを与えて運動神経を刺激すると, 物質Pを
単独で与えて運動神経を刺激したときよりも骨格筋の収縮が大きくなる。
④神経筋接合部に物質Qと物質Rを与えて運動神経を刺激すると, 物質Rを
単独で与えて運動神経を刺激したときよりも骨格筋の収縮が大きくなる。
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