問7 アカパンカビの野生株は,最少培地 (水や糖, 無機塩類, ビタミンのみを含み,ア
ミノ酸を含まない培地) でも生育できる。 これは, 野生株がもつ, 遺伝子P~Rをも
とに合成される酵素P~Rのはたらきにより, 最少培地に含まれる前駆物質から,
アミノ酸であるオルニチンとシトルリンの生成を経て, 生育に必要なアミノ酸である
アルギニンを生成することができるからである。図2は, アカパンカビが前駆物質か
らアルギニンを生成する過程を模式的に示したものである。
前駆物質
→ オルニチン
酵素Pが触媒
遺伝子 P
図2
酵素Qが触媒
→ シトルリン
遺伝子 Q
アルギニンを生成する過程
.
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酵素Rが触媒
アカパンカビの野生株にX線を照射して, 遺伝子P ~ R のうちの一つの遺伝子のみで
遺伝子の塩基配列の変化を引き起こし、最少培地で生育できず, 最少培地に特定のアミノ
酸を添加した場合にのみ生育できる変異株 X を作製した。 変異株Xの遺伝子P~Rのい
ずれの塩基配列に変化が起こっているかを調べるための実験について述べた次の文章中の
空欄 A に入る記述, および空欄 B
C
D に入る語の組合せとし
て最も適当なものを、後のそれぞれの選択肢のうちから一つずつ選び, 番号で答えよ。 な
お、変異株 X は, オルニチン, シトルリン, アルギニンのすべてを含む培地では生育で
きるものとする。
.
→ アルギニン
遺伝子R
最少培地にオルニチンのみを添加した培地で変異株 Xが生育できた場合, A
方,最少培地にオルニチンのみを添加した培地で変異株 X が生育できなかった場合につ
いて, 最少培地に B のみを添加した培地で変異株 X が生育できれば遺伝子 C
の塩基配列が変化していると推定でき, 生育できなければ遺伝子 D の塩基配列が変
化していると推定できる。