発展例題36 炭化水素の構造推定
問題449
あるアルケンAに臭素を反応させたところ, アルケンAの約3.3倍の分子量をもつ生成
物が得られた。また,このアルケンAに水素を反応させると, アルカンBが生成した。
(1) アルケンAの分子式を示せ。
(2) この反応で生じたアルカンBとして考えられる構造式は何種類か。
(F
考え方
(5)
解答
(6)
アルケン CH2n 臭素B
の反応は,次のようになる。
CnH2nBr2
CnH2n+Br2
アルケンと臭素付加生成物の分
子量を比較して, n を求め, 分
子式をつくる。
(1) Aの分子量はCH2=14n, 臭素付加生成物の分子
量は CnH2nBr2=14n+160である。 したがって,次の関
係が成り立つ。
14n+160=14n×3.3
n=5
C5H10
(2) アルケンAには, 5種類の
構造異性体が考えられる。 それ
ぞれの水素付加生成物を考える。
(2)A (C5H10) に水素が付加してできるアルカンB
(C5H12) は,次の2種類だけである。
CH3-CH2-CH2-CHCH2] H2.CH5-CH2-CH2-CH2-CH3
CH3-CH2-CH=CH-CH3
CH3-CH2-C=CH2 CH3-CH=C-CH3 ]
CH3
CH3-CH-CH=CH2
CH3
H2
→
CH3-CH2-CH-CH3
CH3
CH3