Chapter 1
力学
Section 1
力と運動
例題 10
等速円運動 ②
図1はレールに乗っている列車を正面から見た
図である。 レールの幅は2w であり, 列車の質量は
Mである。 列車の重心Gは、レール間の中心線上
で、レールと車輪の接触点から高さんの位置にあ
る。 空気の抵抗や摩擦力などは無視できるものと
して、以下の問いに答えなさい。
(1) この列車が,たいらな地面に水平に敷かれた
円形の曲線路を、一定の速さで通過している。
(A) 重力加速度をg, 列車に作用する慣性力を
Fとして, 曲線路の内側のレールから列車
が受ける垂直抗力 R1 と, 外側のレールか
ら列車が受ける垂直抗力 R-2 を、 それぞれ M,
w, g, F, h を使って表しなさい。
図2
(B) 曲線路の半径を , 列車の速さを”として,
慣性力F を M, r, o を使って表しなさい。 ただし,rはレール
幅 2w に較べて十分に大きいものとする。
(C) 列車の速さが大きくなると, R, が減少し,やがて列車は転覆する。
この場合の限界の速さve を wr, g, hを使って表しなさい。
(2) 曲線路では, 列車の安定を増すために、 通常, 曲線路の外側のレー
ルを少し高くしている。 図2に示すように, 線路が角度日の傾きを
つけて敷かれているとして, 列車が転覆する限界の速さve を w, r,
g,h, θ を使って表しなさい。
(三重大)
w wo
200
考え方の
キホン
to 10
I
(1) (A)右図のように、車輪とレールとの接点をそれぞれ
P1, P2 とし, 車輪がレールから受ける抗力の水平成
分をそれぞれぃたとする。 鉛直方向の力のつりあ
いより
I
1
円運動の問題では,中心方向外向きの慣性力すなわち遠心力を考慮
すると, 有効な場合が多い。 例えば、人工衛星の中で宇宙飛行士が
ふわふわ浮いて見えるのは, 人工衛星から見て, 宇宙飛行士に働く地球の万有引
力と遠心力がつりあうからである。 この問題でも、列車から見た遠心力を考慮す
ると, 剛体のつりあいの問題として扱うことができる。
なお、遠心力をむやみに軽んじてはいけない。 現代の物理学では,遠心力 (
般には、慣性力)といわゆる実在の力 (この場合は, 向心力)とは、同等である
I
とみなす。
(2)までは、外側のレールは高くしてない。
1
R1+R2-Mg=0… ①
P2 のまわりの力のモーメントのつりあいより
Mgxw-R1 ×2w-Fxh=0
②
〔注〕 P1 のまわり:
R12×2ω-Mgxw-Fxh= 0 ③
①② (あるいは, ①, ③ あるいは, ②③ より
-Mg-
R₁₁ =
h
R2= g+.
〔注〕この場合の向心力はf+fである。 水平方向の
力のつりあいより、
S
2w
(B) 円運動の加速度は2/rだからF=Mv²/r
(C) (A)からわかるように, R2は常に正である。 (B)も用いて
h Mv²
:. R₁₁=Mg-20 =0 :: Vc=
F
fi+f₂=F=Mv² /r
(2) 右図のように車輪がレールから受ける抗力の斜面に垂
直な成分をそれぞれRai', R2' とし、斜面に平行な成分を
それぞれだとする。 斜面に垂直な方向の力のつりあ
いより
P回りの
モーメント
Mo
-F
R入
Mcose {g(w+htand)-
2w
fr
Vo²
r
rwg
h
R₂₁
Ra
Mg
Ri'+R,a'′-Mgcos0-(Mus/r)sin6=0・・・・・・・・ ④
PT
P3
Or
MY
K
P2 のまわりの力のモーメントのつりあいより下
Mgx(w+htane)cos-Ra'x2w_(Mu²/r)x(h-wtand) cos0=0
BA
w
....... 5
Mg x (cose+ htang.cosa)
Pr
カ
〔注〕 Pi: Ri' ×20-Mgx(whtand)cos0 (Mur) x(h+wtand)cosB = 0.⑥
④,⑤ (あるいは、④⑥ あるいは, ⑤⑥ より
列車
の動き
Mer x (hcoso-tutanocuse)
(h-wtan6
tan 0)}
B
10
1-1 力と運動
47