2 剛体にはたらく力の合力と重心
本棚が,上の段だけに本を入れると倒れやすくなるのはなぜだろうか。この節では、
剛体にはたらく力の合力と重心の求め方や、 剛体の傾きと転倒について理解しよう。
A 剛体にはたらく力の合力
質点にはたらく複数の力の合
力を考えたように、1つの剛体
に複数の力がはたらく場合も、
並進運動や回転運動に対する効
果が同じとなるような1つの力
として,合力を考えることがで
きる。
●平行でない2力の合力 F1,
君が平行でない場合,これら
の2力をそれぞれの作用線の交
点まで移動して,平行四辺形の
法則によって合成すると,合力
が得られる(図25)。
②平行で同じ向きの力の合力
図26のように,下が平
行で同じ向きの場合の合力ア
を考える。
F2
F
合力
F2
図25 平行でない2力の合成
A
ーム
Fi
0
(大きさF) 7
の
10
(大きさはFi+F2)
B
F2
(大きさ 2 )
図 26 平行で同じ向きの2力の合力
点0のまわりの力のモーメントの和について
Fi.h-F212=0
であるから,点は, h:l2=F2: F1 となる位
置にある。
(大きさはF-F2)
(大きさF2)
2力とつりあう力を声とする
と,合力の大きさは,声の
大きさと同じF1 + F2, 向きは
逆向きで, 同一作用線上にある。
また,同図より, 合力の作
用線は, 線分ABを力の大きさ
A
B
(大きさFi)
合力
の逆比 F2: F1 に内分する。
図 27 平行で逆向きの2力の合力
点 0 のまわりの力のモーメントの和について
3 −F₁· h₁ + F2·l₂ =0
であるから,点は,L:L=F2:F, となる位
置にある。