発展例題11
氷の比熱
質量 400gの氷を熱容量120 JKの容器に入れ,
容器に組みこんだヒーターで熱すると,全体の温度
は図のように変化した。 熱は一定の割合で供給され,
すべて容器と容器内の物質が吸収したとし水や氷
の水蒸気への変化は無視できるものとする。 また,
水の比熱を4.2J/(gK) とする。
DN
(1) ヒーターが供給する熱量は毎秒何Jか。
(2) 氷1gを融解させるのに必要な熱量は何Jか。
指針 (1) 254s 以降の区間では、 氷はす
べて水に変化している。 水と容器の温度上昇に
必要な熱量から、ヒーターが毎秒供給する熱量
を求める。
(2) 温度が一定の区間 (32~254s) では, 供給さ
れた熱量はすべて氷の融解に使われる。 これか
ら, 氷1gの融解に必要な熱量を求める。
(3) 氷と容器の温度が上昇する区間 (0~32s) で,
温度上昇に必要な熱量から, 氷の比熱を求める。
解説 (1) 水と容器をあわせた熱容量は,
400×4.2+120=1.8×10°J/K
254~314sの間に供給された熱量で, 水と容器
の温度が0℃から20℃まで上昇するので, ヒー
ターが毎秒供給する熱量を Q〔J〕 とすると,
温度(°C]
20 ---
0
/32
254 314 時間
[s]
* 30
-20
WHO aflε-E (2) 04
(3) 氷の比熱は何J/ (g・K) か。
発展問題
(18×103)×(20-0) =Qx (314-254)
* BLACO 4,001
がい
Q=6.0×102 J
(2) 32~254sの間に氷はすべて融解した。 氷1g
P
を融解させるのに必要な熱量をx〔J〕 とすると,
400×x=(6.0×102)×(254-32)
x =3.33×102J 3.3×102J
(3) 氷の比熱をc[J/(g・K)] とすると, 氷と容器
をあわせた熱容量は,
400×c+120[J/K]
0~32sの間に供給された熱量で, 氷と容器の
温度が-20℃から 0℃まで上昇するので,
(400Xc+120) ×{0-(-20)}
=(6.0×10²) x (32-0)
c=2.1J/(g・K)