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基礎問
42 第1章 数と式
23 命題の真偽
(1) 命題: x≧1 かつ y≧1 ならば, x+y≧2 について
逆・裏・対偶を述べ,その真偽を調べよ.
(2)命題:キならばェキ1が正しいことを対偶を用いて
明せよ.
(B)√2が無理数であることを背理法を用いて示せ。
精講
(1), (2) ある命題が正しいことを真 (true), 間違っていることを偽
(false) といいます. また, 次表のような関係にある命題を、 それ
ぞれ,元の命題の逆裏 対偶といいます(→は 「ならば」を意
味します).
→ g
裏
p-q
対偶
解答
(1) 逆:x+y≧2 ならば, x≧1 かつ y≧1
x=2, y=0 のとき, 不成立だから偽
g→p
逆
(万はかの否定を表す)
このとき, 対偶の関係にある2つの命題の真偽は一致します.
(3) 「背理法」という証明の手段は, 次の手順ですすみます.
Ⅰ. 結論を否定して議論を開始し
ⅡI. その結果, 矛盾が生じる
ⅢI.だから、結論を否定したものは誤りで、要求された事実は正しい
裏x<1または y<1 ならば, x+y<2
x=2,y=0 のとき, 不成立だから 偽
裏
9
p
偽であることを示す
には不適当な例(=
反例)を1つあげれ
ばよい
<かつq
または
対偶:x+y<2 ならば、 x<1まだは y<1
もとの命題が真だから, 対偶も真
(2)与えられた命題の対隅は 「z=1ならば
よって、与えられた命題 「キならばキ1」は真.
注
対偶を用いて証明する場合は、たいてい 「キ」 「または」, 「ある
...... に対して」 という表現が含まれています。
(3) √2が有理数と仮定すると,
これは真.
'=x」で,
ポイント
m
2つの自然数m,n を用いて√2=1 と表せる.
(ただし, m, nは互いに素)
両辺を平方すると2m²=n2
左辺は偶数だから,n² も偶数 すなわち, nも偶数.
このとき,n24の倍数だから, 2m²も4の倍数.
よって, m² は偶数となり, mも偶数.
ゆえに、mとnは共通の約数2をもつことになり、
mとnが互いに素であることに矛盾する.
よって,√2は有理数ではない.
すなわち
√2は無理数.
演習問題 23
43
まず、 結論の否定
最大のポイント
背理法では結論を否定して解答をかき始め、
その結果, 矛盾することを示す
第1章
(1) 命題: 0<x<1 ならばx" <1 について
逆, , 対偶を述べ、その真偽を調べよ.
(2) 命題: xy≠2 ならば r≠1 またはy=2 が正しいことを対偶
を用いて証明せよ。
(3)√2が無理数であることを用いて,√2+1 も無理数であるこ
とを背理法で証明せよ.